智辯和歌山が屈辱の3大会連続初戦敗退!初戦で見えた大きな課題とは?
最大の課題は守備か
守備は3失策と大きな課題となった。和歌山大会では5試合でわずか3失策の守備陣が崩れてしまった。野手のスローイングを見ると、1人1人の肩の強さは素晴らしい。やはり能力の高い選手たちが揃っている。ただ公式戦でもこれほどの接戦を経験していないのか、脆さが出てしまった。 まず2回表の先制の場面では三塁手・花田が三遊間のゴロにわずかに及ばず、さらに遊撃の山田希翔内野手(2年)が打球を後ろにそらしてしまい、二塁走者が生還した。5回表にはライト・福元 聖矢外野手(2年)のスタートが遅れ、ライト前の打球をそらしてしまい、2点目を献上しただけではなく、打者走者も三塁へいかせてしまった。 タイブレークの場面では11回表に遊撃手の山田がファンブル。これまでの公式戦では幾度も好プレーを見せていたが、悔しいミスだった。 各野手の球際の強さ、打球判断、中継プレーの動きを見ていくと、徹底的に鍛え上げているチームと比べると、差を感じた。 試合後、控え室で号泣していたのは2年生たちだった。3年生たちが2年生を慰めていた。先輩たちの夏を終わらせてしまったという責任感があったのだろう。甲子園での怖さ、負けの悔しさを伝えられるのは試合に出ている2年生しか伝えられない。山田は涙ながらに語った。 「甲子園は自分たちがやってきたことしか出ない場所なんだなと。良い意味でも悪い意味でも。日本一を目指してずっとやり続けてきたのですが、何かが足りなかった。新チームではそこをこだわってやっていきたいです」 期待の1年生・松本 虎太郎内野手は「エラーしてしまったのが悔しかったです。今、振り返ると、守備練習の取り組みが甘かったんだなと」と悔やんだ。 涙を流す2年生たちを見て、背番号20の金田はこうエールを送った。 「甲子園の雰囲気は独特で、普段と違った行動が出てしまう。だから前半は苦しんだと思います。甲子園に連れてきてくれたのは試合に出ている1、2年生たちのおかげなので、感謝しています。また来年、センバツや夏の甲子園出場できることを願っていますし、甲子園に再び出られた時は勝たないといけないという重圧よりも、純粋に甲子園を楽しんでほしいと思います」 普段の取り組みが甲子園では結果として現れる。智辯和歌山の選手たちは初戦敗退を機にどう変わるのか。新チームに期待したい。