【毎日書評】「こんなはずじゃなかった」を回避せよ。フリーランスメリットとデメリット
フリーランスになりたいという思いを抱く人のなかには多かれ少なかれ、「フリーランスになってお金を儲けたい」という願望があるのではないでしょうか。そのため、書店でフリーランス関連書籍を見かければ、つい気にかけてしまうかもしれません。 ところが『フリーランスになって、「こんなはずじゃなかった!」と思ったら読む本』(北野哲正 著、フォレスト出版)は、「金持ちフリーランス」を目指すための本ではないのだそうです。なぜなら、「稼ぐことに重点を置いたフリーランスのゴール」は、「フリーランスの限界」と同義だから。 フリーランスとして稼ぐためには、可能な限り高単価な仕事を大量に受注しなければなりません。とはいえ、ひとりでこなす仕事量には限界があるのも事実。しかも競合フリーランスがいる以上、価格競争に巻き込まれる可能性もあるでしょう。 もちろん倒産のリスクもありますし、つねにスキルと知識をアップデートしていかなければ、継続的に仕事をもらえません。 つまり、それらを自分のキャパシティで対応できる範囲が、その人が稼ぐ限界の収入だということです。では、そうした限界を乗り越えるために、フリーランスはどう立ち回ればいいのでしょうか? その答えとして著者が本書ですすめているのが、「オーナーフリーランス」になること。平たくいえば、フリーランスでありながら、フリーランスの元締めのような存在です。 自分1人のキャパ以上の仕事を受注し、それを協力してくれるまわりのフリーランスに発注する存在(もちろん、ある程度の手数料はいただきます)。 仮にどうしても外せない用件があったり、あるいは入院するようなことがあったとしても、自分の代わりに動いてくれる仲間がいるので、食いっぱぐれることもありません。(「まえがき フリーランスからオーナーフリーランスへ」より) ただしそれは、単なる中抜きのようなネガティブなものではないそう。本書で明らかにされているメソッドをなぞれば、協力してくれるフリーランスから信頼を得ながら、もとに成長できるビジネスモデルだと理解できるというのです。 しかし、どうあれフリーランスとしてのメリットとデメリットは確認しておきたいところ。そこできょうは第1章「『こんなはずじゃ…』とならないためのフリーランスへの入り口」のなかから、「フリーランスのメリット・デメリット」に焦点を当ててみたいと思います。