日本がアメリカに“かなわない”根本的な理由、自民総裁選の議論も日銀記者会見もつまらない
やっぱり日本はダメだ。アメリカのようには行かない。根本的に何かが違っている。なぜなんだ? ■アメリカ大統領候補の討論会が純粋に面白いワケ 27日に投開票される自民党総裁選挙は、当初こそかなり盛り上がったものの、すでに国民一般の関心は失速気味だ。報道はいまだに続いているが、連日、ほぼ同じ議論とキャッチフレーズが繰り返され、自民党員以外は関心を失ったようだ。 一方、アメリカ大統領選挙は、日本には直接関係ないのに、NHKは地上波で、ドナルド・トランプ前大統領とカマラ・ハリス副大統領の討論会90分超を完全生中継した。
同国では視聴者数は5750万人以上と推計されているが、日本でも、NHKをはじめ、多くのニュース番組ではトップ扱い、かつ大々的に報道された。この持ち回り連載で執筆しているかんべえ氏(=吉崎達彦・双日総合研究所チーフエコノミスト)にとっては、選挙分析は仕事だから(趣味でもあるか? )かぶりつくのは当然としても、私ですら、最近の記者会見などではいちばん熱中した(現地PBSのネット配信だが)。うちの妻ですら、私と一緒に90分間飽きもせずに見続けた。
自国の総理候補の政策には関心がないのに、ほかの国の政治ショーには熱中するなんて、日本人は暇なのか? そんなに自国は余裕があり、何の心配もないのか? それともやっぱり単に暇なのか? 私は確かに暇でもあったが、アメリカ大統領候補の討論会は純粋に面白い。だから熱中したのだ。 では、なぜ面白いのか? それは後のほうで議論することにして、さて、金融関係者にとっては、今週(9月16~20日)は中央銀行ウィークだった。
まず、FED(アメリカ中央銀行)が金融政策決定会合(FOMC=公開市場委員会)を17~18日に開催、18日にはジェローム・パウエルFRB(連邦公開市場委員会)議長が記者会見した。19日は英国の中央銀行であるイングランド銀行が政策表明。そして、日本銀行が19~20日に政策決定会合を開き、20日に植田和男総裁の記者会見が行われた。 この原稿の9割は日本銀行の決定も記者会見も終わっていない19日に書いたのだが、はっきり言って20日15時半からの植田総裁の記者会見の感想を書けと言われれば、すぐに書けてしまいそうなほど、事前に予想できる。