日本がアメリカに“かなわない”根本的な理由、自民総裁選の議論も日銀記者会見もつまらない
北海道も、アメリカのボストンも欧州も、昔は冷房がない家が普通だったが、21世紀にはそうはいかない。そのうち日本人は全員北海道に住むことになるかもしれないが、少なくともサラブレッドの8月はそうなってほしい。 ということで、馬に優しい調教師たちは、エリートの馬は2歳であれば6月、7月にデビューさせて、1勝目を挙げさせる。その後、7月後半、8月の夏競馬の間は北海道で休ませ、涼しくなったらJRA(日本中央競馬会)のトレセンに戻し、10月からレースに出す、というのが王道になりつつある。
だから、大物は6月デビューか、あるいは逆に10月以降デビューか、どちらかが多くなっている気がする。古馬に関しては、酷暑の日本を抜け出し、7~8月はアイルランドなど欧州のやや緯度の高い地域で秋の欧州のレースに備えるというのが一流馬の普通のパターンになっていくかもしれない。 ■オールカマーの本命は母系トウカイテイオー系の馬 さて、22日は中山競馬場で産経賞オールカマー(G2)が行われる(第11レース、芝コース、距離2200メートル)。
昔は地方馬やアラブ馬(サラブレッドではないということ)の参戦を認めていたからオールカマーなのであるが、今は強い馬の秋初戦という位置づけで、オールカマーとはまったく言えない、本命の強いレースとなっている。 ここはレーベンスティール。弱いと言われる4歳牡馬(芝)の中では、例外の一頭だろう。クラシックは無縁、エリート馬が集まる7月のセレクトセールではなく北海道セプテンバーセール出身、そして母の父はトウカイテイオー、北海道沙流郡の生産、とオールカマーに相応しい馬のような気もする。クイズダービー風に、彼に単勝、全部。
※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は9月28日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
小幡 績 :慶応義塾大学大学院教授