米国製長射程ミサイルでロシア本土を攻撃すれば何が起きるか 核報復の可能性は、NATO加盟国への介入も
「軍用機をそれだけ遠距離に移動させれば、ウクライナ領への攻撃出動には労力も時間もかかり、その間に、ウクライナ軍は自軍の損耗を少しでも回復させることができる。大規模に攻撃できれば、ロシア軍用機の破壊も期待できる。現状のような長期の消耗戦では、こうした効果の積み重ねが効いてくる」 「ロシア領深くへの攻撃が容認されれば、現状では地上発射型のATACMSが最も効果を上げるとみている。ストームシャドーなどの空対地ミサイルは攻撃のたびに毎回、航空機に少数のミサイルを積載しなくてはならず、敵地に近づけば、レーダーシステムに捕捉される恐れもある。それに対し、ATACMSは多量の弾薬を高い頻度で敵地に投射できる利点がある」 × × 1975年大阪府生まれ。ロンドン大スラブ東欧研究所修士。京都大博士。英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)客員研究員を経て現職。