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吉田徹

吉田徹

認証済み

同志社大学政策学部教授

報告

詳細はまだ不明だが、先進国で武器を用いた本格的クーデタが計画されるというのは、1950年代のフランス以来のことかもしれない。しかも政治的に安定しているとされるドイツで、こうした計画が摘発されたことの衝撃は大きい。 報道によると、首謀者らはドイツが「ディープ・ステート(隠された国家)」に乗っ取られており、これを阻止するためにクーデタを計画したとされる。ディープ・ステート論は、周知の通り、コアなトランプ主義者が「Qアノン」といった言葉で編み出した陰謀論だ。こうした陰謀論が、いよいよ大西洋を越えて欧州でも力を持ちつつあることが白日の下に晒された。 陰謀論がなぜ生まれのかには様々な分析がされているが、制度や社会への信頼が喪失されていることの症状であるとされることが多い。社会的なつながりを欠いた存在が犯罪や社会的報復に傾きやすくなることは、日本での昨今の犯罪が示す所でもある。

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    ジャーナリスト/ メディアコラボ代表

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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