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吉田徹

吉田徹認証済み

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同志社大学政策学部教授

報告

見解もともとフランス政治研究者だった舛添氏の適格な分析だ。今回、戦後最年少首相だったアタル氏から最年長のバルニエ氏へと変わり、その右寄りの内閣構成は早速に大統領派内部でも軋轢を生んでいる。議会構成はほぼ左派3割、中道3割、右派3割だから、左派と組めないのであれば、内閣は右に寄りかからざるを得ないのが実情だ。 大統領は議会解散に1年間を空けないとならないと憲法は定めるから、バルニエ内閣が疲弊した所で再解散に踏み切る可能性はある。その場合は、左派連合の穏健派と急進派が分裂して、前者を取り込む見込みがあることが条件となる。 ただ焦点はすでに2027年の時期大統領選に当たりつつある。主要政治家の行動はそこから逆算されて規定されている。ポスト・マクロンに誰が相応しいかという、別の競争がすでに始まっている。

コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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