この記事のタイトルはやや誤解を与えます。実際のWHOの文章を読んでみると子供へのプライマリーシリーズとブースター接種は安全で効果的だと記し、オミクロンへの変異とワクチン・感染により多くの人に免疫がある現在の状況下においては、各国の感染状況、費用対効果、その他の保健政策上の優先事項や機会費用を考慮した上で各国が決定を下すよう促しています。そのような文脈のもとで、健康な子供へのワクチン接種に関しては他のリスクの高いグループに比べて「low priority(優先度が低い)」としているので、このタイトルのような「健康な子ども必要なし」という短絡的なメッセージを発信したわけではないことには注意が必要です。
コメンテータープロフィール
慶應義塾大学医学部卒。日本赤十字社医療センターにて初期研修後渡米。米国ミネソタ大学医学部内科研修、テキサス州Baylor College of Medicine感染症研修修了。米国内科専門医。