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鶴岡路人

鶴岡路人

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慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

解説今回の平和サミットの評価は事前の期待値次第である。何かが具体的に前進することを期待していたのであれば、失望に終わっただろうが、まずは一定数の国参加を得て開催すること自体が成果だと考えれば、結果は概ね期待どおりだ。 「亀裂」を強調することは可能だが、今回のサミットによって生じたわけではなく、当初からの問題だ。いずれにしても、この種の会合は第2回やその後がより重要になる。ウクライナにとっては、米欧、G7諸国からの「厚い」支持と、いわゆるグローバル・サウス諸国を含む国際社会の「広い」支持のバランスが問われることにもなる。後者からは、いずれにしても実質的な支援が期待できないとしたら、何を目的にアプローチを続けるのか、戦略の明確化が必要だ。

コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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