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高野龍昭

高野龍昭

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東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

報告

見解高齢者介護分野や児童福祉分野でも、職員による利用者への虐待事案は少なくありません。しかし、障害者福祉分野のそれは利用者数と比較するとかなり多いように思います。 実際、2022年度の高齢者分野と障害者分野の職員による虐待事案を示した厚労省の全国データをみると、前者は860件である一方、後者は960件と報告されていますが、サービス利用者数(概算)は厚労省の別のデータで前者が660万人、後者が140万人と報告されています。そこから単純計算をすると、障害者分野での職員による虐待事案は高齢者分野の約7倍だということになります。 その要因ははっきりとはわかりませんが、もしかしたら、障害者に対する社会全体の認識のあり様が虐待事案の多さに影響しているのかも知れません。 一方、報道されている内容をみる限り、当該障害者支援施設での虐待の内容は相当に悪質と言わざるを得ません。厳しい行政処分は当然でしょう。

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  • 岡部卓

    新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授

    補足障害者施設で組織的に虐待が行われていたことは、同施設において組織としてのガバナンスが機能していなかっ…続きを読む

コメンテータープロフィール

高野龍昭

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。

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