補足記事にある丹野さん•山中さんのように、30歳代で認知症を発症する人は珍しくありません。 認知症も疾患のひとつですから、早期の対応(受診•適切な治療など)によって、進行を緩徐にすることも可能です。そして、最も大事なのは、当事者として、その後の人生をどのように歩むのか、そのためにどんな支援を活用するのか、認知症を受け入れつつ考えることです。丹野さんも言っているとおり「全てを諦めないでほしい」「すべてが出来なくなるわけじゃない」ということを真っ先に知っていただきたいと思います。仕事も、社会的活動や趣味も続けられるケースもたくさんあります。 そして、周囲の人•市民も「共生」すること、つまり、街の中でともに暮らす仲間であるということを理解するべきです。専門的な介護や医療は専門職でなければ難しいかも知れませんが、仲間として理解し合うこと、日常の支え合いをすることは、市民の皆さんにしかできないことです。
コメンテータープロフィール
1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。