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白鳥浩

白鳥浩

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法政大学大学院教授/現代政治分析

報告

多様性の中の統一であるヨーロッパ連合(EU)はそれぞれの立場があるということを浮き彫りにしている。 ヨーロッパへのガスの供給の約4割をロシアが賄っているという点で、現在厳冬の中にあるヨーロッパ諸国において、エネルギーの途絶は大きな懸念材料となる。経済のグローバル化が進む中で、ロシアのエネルギー戦略に依存してきたという大きな経済安全保障上の条件をヨーロッパ諸国は抱えている。 またSWIFTからロシアを排除するということは、事実上、国際的な市場経済からロシアを排除するということを意味しており、それ自体、ロシアに対してヨーロッパ連合が「経済的に宣戦布告」をするようなものとも捉えられる可能性がある。 ドイツは政権が代わったばかりであり、フランスはこれから大統領選挙がある。そうした国内事情を反映しながらの一致した対応の難しさというのは、ヨーロッパ連合のある面の脆弱さが露呈しているのかもしれない。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 大場紀章

    エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所 代表

    まさか賛成する国があるとは。よくEUはロシアのガスに4割依存している(石油は2割強)といいますが、内…続きを読む

コメンテータープロフィール

白鳥浩

法政大学大学院教授/現代政治分析

日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。

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