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岡部芳彦

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神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

報告

解説2022年3月21日「日本政府の決定への対応策に関するロシア外務省声明」では「1991年からの露連邦南クリル諸島と日本との間のビザなし交流に関する協定と、元日本人居住者の渡航を可能な限り容易にするビザなし渡航の終了を決定」とされ、つづく同年9月3日連邦政府命令第2531-r号「ソ連・日本外相間の書簡交換の形での協定の終了」によって「ビザなし交流」の枠組は破棄されたと考えられるのですが、「ビザなしでの墓参」については人道的な配慮から可能と当時の駐日ロシア大使も言ってました。しかし、ビザあり、つまりパスポートを持って北方領土がロシア領と認めた上でのみ可能と露側は鈴木氏に伝えたようです。これはソ連末期から積み上げてきた努力が霧散した事を意味します。現状では好意的な「返還」の可能性は皆無となり、北方領土返還運動の転換点と言えます。それがはっきりしたという点のみが鈴木氏の訪問の「意義」かもしれません

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コメンテータープロフィール

岡部芳彦

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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