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岡部芳彦

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神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

報告

見解東海道新幹線に一度は乗った事があるかと思いますが、その建設費は世界銀行が融資しました。日本のウクライナ支援はこの「1兆円」のように額が先行しますが、いわゆる「あげたお金」である無償資金協力は約3000億円ぐらいです。大部分は、財政的な支援で世界銀行への信用保証です。世界銀行は、普通の銀行と異なります。世銀を構成する国際復興開発銀行IBRDは貧困削減のために途上国への融資を目的としています。IBRDはウクライナ融資に関連して設立された基金を新設し、日本は「拠出国債」という特殊な国債を発行し、万一の際の債務負担を約束しています。世界銀行によるウクライナへの融資への日本の保証額は最大6850億円と言われています。貧困削減を目指す世界銀行の第2位の出資国は日本。かつて新幹線、高速道路、製鉄所などで融資を受けた日本がその世界銀行を通じてウクライナを支援するのは道理にかなっているのではないでしょうか。

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コメンテータープロフィール

岡部芳彦

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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