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岡部芳彦

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神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

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解説今週はニュースも多く、日本では報道が少ないですが、記事のとおり、露宇戦争が始まって最大のウクライナ軍による越境攻撃です。この地域は歴史的に見れば実はさまざまな戦闘の舞台となった要衝です。今回の戦闘の舞台クルスク州スジャは17世紀中盤に入植が始り、もともと人口6000人前後、陶器産業で知られる小さな「市」で2022年以降は多くの住民が退避しています。ロシア・ポーランド戦争 (1654年-1667年)やウクライナのコサックボフダン・フメリニツキーの死 (1657 年) からイヴァン・マゼーパの統治開始(1687 年) までの時期にスジャには城塞都市が築かれました。第一次世界大戦ではドイツ軍に、その後は内戦がはじまると赤軍、白軍、ウクライナ(ペトリューラ)軍とさまざな勢力の支配下に置かれます。独ソ戦ではドイツ軍に占領されました。この地域が戦闘の表舞台に出るのは歴史的必然かもしれません。

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コメンテータープロフィール

岡部芳彦

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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