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岡部芳彦

岡部芳彦

認証済み

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

報告

実は、ウクライナにおける「冬」の熱い闘いは、実はソ連崩壊後から始まっています。露の対ウクライナ戦略には、「冬」という要素が絶えず組み込まれてきました。背景にはウクライナ側のガス抜き取り問題もありましたが、ほぼ毎年とっていいほど、難癖をつけてガス供給の停止をチラつかせ、さまざまな政治課題の交渉材料としてきました。一方、ウクライナの政権にとっても冬は大きな要素です。2014年2月のマイダン革命は、前年の11月から市民によるデモが始まりましたが、時のヤヌコーヴィチ政権は、気温がマイナスになれば寒すぎて市民はデモをしなくなるだろうと高をくくっていたと言われています。今回は、大規模インフラ攻撃による電力供給停止から、ウクライナ市民の暖房や日常生活への影響を与え戦意を喪失されることを目的です。このように気象と市民攻撃を戦術とする国に、エネルギーの一部を依存する日本の未来は果たして大丈夫でしょうか。

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コメンテータープロフィール

岡部芳彦

神戸学院大学経済学部教授/ウクライナ研究会会長

政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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