補足ロシア国防省と関係の深い防衛関連企業が所有するこの貨物船は、船籍や船名を見ればなかなか数奇な運命を辿った船ともいえます。2009年にドイツで建造、スキャン・ブリタニアの名で進水され、2010 年にヒュンダイ ブリタニアに改名、その後EITによって買収、 2011 年にEit Palminaに改名。 2017年、ロシア国防省が発注する貨物輸送を行う企業オボロンロジスティックスに買収され、スパルタIIIと改名され、2021年10月にはウルサ・メジャーに改名されました。母港はノヴォロシースクです。シリアのタルトゥースにあるロシア海軍基地に武器を輸送した経緯もあり、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に米国の制裁を受けています。
コメンテータープロフィール
政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。