見解JAXAの記者会見によると情報漏洩の事実は認めたものの比較的被害は軽微であるとの報告でした。しかし記事では常に不正アクセスが行われている状況であり、その不正アクセスは広範囲に及んでいるとのことです。JAXAはその名の通り、人工衛星を打ち上げるだけでなく、宇宙観測技術や宇宙通信技術、そして月を含めて惑星資源探索にも関係しており、極端に言えばすべての分野の高度技術の集約点、すべての企業や研究組織の技術の保管庫ともいえるわけです。その技術情報を搾取するという強い意志を持った攻撃者の標的となることは必然です。今回、公表される以前の脆弱性を突いた攻撃も見られたということで、ファジングと呼ばれる脆弱性の探査も行われた可能性もあります。その場合はセキュリティ監視が杜撰であったことにつながります。とにかく、対策として設備の増強だけではなく、JAXAという組織のセキュリティ意識の全面的改革が望まれます。
コメンテータープロフィール
1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。
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