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森井昌克

森井昌克

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神戸大学大学院工学研究科 特命教授・名誉教授

報告

この状況ですが、1年前の徳島県つるぎ町立半田病院とまったく同じです。半田病院の場合、完全復旧まで二か月を要しましたが、今回の病院は二か月かかることはないと考えられます。その理由は記者会見の内容からバックアップが遠隔で保存されていて、テープにて保存されているということから暗号化されることなく残っている可能性が高いからです。それでも復旧の見込みが立っていないと宣言する理由はバックアップを取っていたとしても簡単に戻るわけではなく、そのバックアップも万が一にも改ざん等が行われていないことを確認し、またシステム自体もすべてマルウェアに感染していないか等をチェックする必要があるからです。今回の病院は比較的大規模な病院であり、すべてをチェックするためには時間もかかることでしょう。ランサムウェア感染の原因もわからないままでは復旧の見込みは立たないでしょう。完全復旧には数週間かかるかもしれません。

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コメンテータープロフィール

森井昌克

神戸大学大学院工学研究科 特命教授・名誉教授

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工芸繊維大学助手、愛媛大学助教授を経て、1995年徳島大学工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、インターネット、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。加えて、インターネットの文化的社会的側面についての研究、社会活動にも従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。電子情報通信学会フェロー。

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