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三牧聖子

三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

日本には政府から強い独立性を持って、人権政策をつくり、それを司る機関がない。世界では120カ国がこうした機関を持つにもかかわらず、である。昨年11月、国連の自由権規約委員会は、日本の人権状況に関する勧告を公表した。その内容は、入管施設での人権状況に懸念を示し、日本政府に対し、独立した国内人権機関の設立を求めるものだった。 こうした機関があれば人権問題のすべてが解決するわけではない。しかし、ウィシュマさんの入管死や遅々として進まない性的マイノリティの権利保護などに象徴されるように、日本の現状は、人権を尊重する国であると世界に胸をはれるようなものではない。残念ながら日本の経済大国としてのブランドは過去のものになった。しかし急激に成長する経済がなくとも、人権を尊重する国ということを、日本の新たな価値として打ち出していけないだろうか。今年日本はG7の議長国であり、国連の非常任理事国である。

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コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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