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三牧聖子

三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

国際情勢の変化の中でオリンピックの意義も変容している。今の世界でオリンピック招致に意欲を見せているのは権威主義国家の都市である。民意に左右されずに招致に予算を投入することが可能だからだ。 逆に民主主義国の市民は環境への配慮や財政負担の問題などから、オリンピックの招致に消極的、さらには批判的になってきている。2022年の冬季五輪は北京で行われたが、それはオスロ、クラコフ、リビウ、ストックホルムなどの候補都市が住民の支持を得られないなどの理由で撤退した結果だった。今後当面はパリ、ロサンゼルスなど民主主義国の都市での開催が続くが、その後は、オリンピック開催による国威発揚をねらう新興国の都市が中心となると見込まれている。 オリンピックをめぐるスキャンダルを契機にオリンピック招致にはどのような意義やメリット、そしてデメリットがあるのか、真剣に考え直してみる時期にさしかかっているのではないか。

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コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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