見解問題点をあらためて整理しますと、本件は異物混入がポイントではなく、苦情対応の失敗にあります。 カメムシと思われる異物混入のあった製品が消費者の手に渡り、それについての苦情が上がり、会社は2週間で回答と伝えたにも関わらずそのままだったということです。 SNSでも事件が公開されたのはむしろ納得がいきます。異物混入はどれだけ注意しても100%防止は不可能です。ゼロリスクのような科学的にあり得ないことを求めているのではなく、苦情対応を間違ったことが企業として問題であり、会社の声明にはあまりその点が反映されていないように感じました。 せっかくの製造プロセスの検分も、苦情対応プロセスについて触れないことは惜しいと思います。
コメンテータープロフィール
東北大学特任教授/人事コンサルタント/産業カウンセラー。コミュニケーション専門家として企業研修や大学講義を行う中、危機管理コミュニケーションの一環で解説した「謝罪」が注目され「謝罪のプロ」と命名されるが、実はコミュニケーションとキャリアデザインのWメジャーが専門。ハラスメント対策、就活、再就職支援など、あらゆる人事課題で、上場企業、巨大官庁から個店サービス業まで担当。理系学生キャリア指導の第一人者として、日本初の理系専用キャリアガイドを著わし、理系マイナビ他Webコンテンツも多数執筆。30代に会社を辞め、自費によるロンドン大学大学院留学でキャリアチェンジを果たしたリスキリング先駆者。