Yahoo!ニュース

益尾知佐子

益尾知佐子認証済み

認証済み

国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

報告

見解現在の日中関係の懸案はほぼ中国側が作り出したもの。ただし、それらを解決してもらうにはこちらが譲歩したような形を作らねばならないので、政府としては適切なところに目をつけたと思います。コロナ前からあった中国人へのマルチビザは、最近は発給が非常に厳格化していると聞いていました。中国との駆け引きに備え、政府としては運用面で工夫し、「譲歩」のコマを育てていたということでしょう。 もっとも、中国の経済力が向上したので、中国人の日本での犯罪は一昔前に比べずっと減っています。中国社会の成熟度も上がってきているので、しばりのうるさい団体旅行ではなく、個人旅行で家族や恋人と日本をまったり見て回りたい中国人が増えています(中国系にはなぜか田舎が人気)。米国等も中国人に以前から10年有効のビザを出してきたので、日本だけが中国人を特別に優待したわけではありません。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった104

コメンテータープロフィール

益尾知佐子

国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

専門は現代中国の対外政策、国際関係論。東京大学総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。小倉高校在学中にアメリカに、東京大学教養学部在学中に中国に交換留学してサバイバル力を磨く。日本国際問題研究所研究員、エズラ・F・ヴォーゲル教授研究助手、早稲田大学講師などを経て現職。ハーバード大学イェンチン研究所協働研究学者、中国社会科学院・外交学院訪問学者などを歴任。単著に『中国の行動原理──国内潮流が決める国際関係』、『中国政治外交の転換点──改革開放と「独立自主の対外政策」』、共著に『中国外交史』、訳書にエズラ・F・ヴォーゲル『日中関係史』など。好きなものは国境。

関連リンク(外部サイト)

益尾知佐子の最近のコメント