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久保田博幸

久保田博幸

認証済み

金融アナリスト

報告

見解今回、具体的に日銀が国債買入の減額を決めなかったのは、先送りして時間稼ぎをするため、などではなく、市場に動揺をあたえず、かつ大胆な国債買入の減額を進めるためとの見方ができる。たとえば今回月額6兆円を5兆円にするとしても今後はどうするのか。それも含めて市場参加者と決めてしまうという手段をとったものといえる。5月13日のサプライズ的な国債買入減額で国債利回りが跳ね上がったこともあり、より先見性を持たせた上で、それなりの規模の国債買入削減を行うという意図があったのではなかろうか。これと利上げは切り離してみるべきであり、物価や経済の情勢から判断した上で、7月の会合で利上げを決める可能性もありうる。

コメンテータープロフィール

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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