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久保田博幸

久保田博幸

認証済み

金融アナリスト

報告

見解日銀は14日の金融政策決定会合で全員一致で現状の金融政策の維持を決定した。さらに次回の7月の決定会合で市場参加者の意見を確認の上、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定するとした。今回の決定会合で減額を決めるとの見方も強かったことで、これは時間稼ぎの先送りではないかとの見方から、日銀の正常化は遅れるとの認識により、円安が進行し158円台を付けてきた。しかし、結果として先送りにみえるが、実はそうではないと思われる。会合後の総裁会見などから考慮して、国債買入の減額を本格的に行うために市場参加者の意向も確認した上で、相応の金額での減額でも市場に予見性を与えることで、それによる長期金利の急騰を招くようなことのないように配慮したものとの見方もできる。5月13日の5年超10年国債の買入減額で長期金利が跳ね上がったこともあり、より慎重かつ大胆に国債買入減額を進めたいのではなかろうか。

コメンテータープロフィール

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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