見解中国の政策当局は常にSNSの監視をしているため、特定のキーワードが入ったSNSへの投稿を容易に削除することができる。 にもかかわらず、中国のSNSに日本人学校を敵視するような書き込みが残っているのは、政策当局が治安対策に本腰を入れて取り組んでいないことを示唆している。 不動産バブルが崩壊し、中国経済は不振の度合いを強めている。中国の共産党政権は、失敗が続く経済政策に対する国民の不満をそらすために、このような投稿を放置している可能性が高い。 ただ、こうした中国の政策当局の対応は自分で自分の首を絞める結果を招くだろう。 治安面での不安が全く解消していないため、今後、日本企業の中国からの撤退が相次ぐ可能性が高い。日本企業の引き揚げで外資流入が滞り、不振となっている中国経済はさらに悪化するとみられる。
コメンテータープロフィール
1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。
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