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井上智介

井上智介

認証済み

精神科医/産業医

報告

見解心が締め付けられるニュースです。「何があったのだろう…」とグルグル考えてしまいます。 産後まもない話で、やはり出産の1週間後からなりうる【産後うつ病】の可能性も想像します。国立成育医療研究センターから発表されているように「妊娠中または出産後1年以内の女性」の死因で、最も多いのが自殺です。産後うつ病は決して軽視できません。 産後は、数時間おきの授乳で睡眠不足になり、生活リズムも乱れます。寝不足で体力も気力も削られ、慣れない育児への不安やストレスが重なります。それなのに、周りは祝福ムード一色で、それに笑顔で応えなければいけないプレッシャーや弱音を吐けない閉塞感。 妊娠や出産を聞いた人は、明るい祝福の側面だけではなく、『体調は大丈夫?しんどいよね。我慢せず何でも言って』という吐き出し口になる側面をプラスした声かけをセットにしたいですね。最後になりましたが、母親と男児のご冥福をお祈りします。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 重見大介

    産婦人科専門医 / 公衆衛生学修士 / 医学博士

    解説産婦人科医として本当に辛く悲しいニュースです。自死は、日本の母体死亡の原因のうち最多と考えられていま…続きを読む

コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

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