不正請求に関する詐欺罪での立件は、一般的には困難を伴います。 それにもかかわらず、本件では、家宅捜索という強制捜査への着手から関係者らの逮捕まで、それほどの時間が経過していないところからすると、手口の悪質性を示す相当に明確な証拠がすでに揃っていることも想定されます。 全国規模での不正請求について捜査がなされるということで、かなり大型の詐欺事犯に発展する可能性も十分に考えられます。 企業の法令遵守体制・内部統制の今後のあり方を考える上でも、重要な事案になりそうです。
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コメンテータープロフィール
1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。
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