見解今日、ニュースやSNSなどネット上の多くの情報サービスの収益源はネット広告だ。2001年にグーグル創業者ラリー・ペイジをインタビューした時点では「まだ広告を収益の柱にするか分からない」と答えていた(ヤフー!は既にネット広告に本腰を入れていた)。その後、ネット広告は大きな収益をあげるビジネスになったが、旧来メディアと異なり、広告を1つ1つ審査する責任をしっかり取らず、審査の時間やにコストを省いて儲けていた部分がある。Meta社のサービスを中心によく見かける偽広告はそうした事態が招いた結果といえよう。 こうしたIT企業の慣行は唯一の方法でない。例えばApple社のApp Storeなどは流通アプリ1つ1つを手間暇をかけて人力で審査している。楽して儲けてきたテクノロジー業界だが、これからはまずは消費者の安心安全を第一に、丁寧なサービス設計に移行すべきで、ここには政府にも積極的に関与をして欲しい。
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コメンテータープロフィール
未来の風景を求めて1990年にテクノロジージャーナリストとして活動を開始。パソコン、ネットインフラ、ネットビジネス、スマートフォン、タブレットの最新トレンドや企業動向を取材し、さまざまな媒体で発信。アップル、グーグルなど米国IT大手の経営者やデザイナーの取材で知られる。iPhone登場後は、テクノロジーと良いデザインの両立の重要性を訴え企業向け講演やコンサルティング活動を開始。現在はAI全盛時代を見据え、「22世紀に残すべき価値」を求めて現代アート、地域と伝統、教育など広範なテーマを取材しソーシャルメディアで発信中。REVOLVER社社外取締役、ダイソン財団理事、金沢美術工芸大学客員教授。