中国の人口減少に歯止めかからず 出産促す習近平の説得も空回り
Forbes JAPAN
見解悲劇なのか喜劇なのか――習近平の個人独裁のもとで、人類の最も私的な部分に手を入れられると勘違いしている。社会制度も整わず、男女の不平等もあるなかで、権利意識はそれなりにある。そんななか、適齢期の女性からして、産むか産まないかの決断はシビアなものとならざるを得ない。たとえ自らの子供が欲しいとなっても、それはキャリア、収入・費用、地位、社会的認知、家庭内の仕事分担などなど多くの要因と絡んで、簡単ではなかろう。 ちょっと前まで一人っ子政策で反対向きに強制をかけていた。それが多くの悲劇を生んだこともまだ記憶に残っているだろう。国の都合で正反対に号令をかけても、何を言っているんだという気にもなろう。 独裁は滑稽だ。
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1966年東京生まれ。オックスフォード大学政治学博士(D.Phil)。著書に『統合の終焉』(2013年、読売・吉野作造賞)、Presidency of the European Commission under Jacques Delors: The Politics of Leadership (1998)。全8巻の岩波シリーズ「日本の安全保障」(2014—15)の共同編集代表、朝日新聞論壇委員を経て、毎日新聞や共同通信などでコラムを連載中、外務省政策評価アドヴァイザリーボードメンバー、東アジア市民社会対話「北海道ダイアログ」世話人。