スマホのYahoo!ニュース利用者は2,300万人~「スマホで1番じゃないの?」にお答えします
先日、ニールセンから発表された「ニュース・キュレーションアプリTOP3は年初からの利用者が2倍以上に増加」というプレスリリースで、「Yahoo!ニュースアプリの利用者が187万人」というデータをご覧になった方も多いかと思います。
同社リリースをみてみると、ニュース・キュレーションアプリ利用者数1位はSmartNews、2位はグノシーで、Yahoo!ニュースは3位となっていました。
こちらのブログでは前回、前々回と、 スマホPVのPC越えや、「Yahoo! JAPANアプリ」と「Yahoo!ニュースアプリ」の違い、Yahoo!ニュースのアプリ利用率などをご紹介してきましたこともあり、「スマホでも Yahoo!ニュースの利用者が1番だと思っていたけど、違うんですか?」などのお声をいただきました。
今回はその疑問にお答えすべく、ニールセンのNetViewシリーズを10年以上使い続けている、ヤフー社内のデータ専門チームに話を聞いてきました。
――以下、データ専門チームの話
このような誤解や混乱を生んでいる原因は、ニールセンによる独自の分類方法によってYahoo!ニュースの全体像が見えなくなっているからです。
まず、同社のMobile NetViewデータ上では、スマホのYahoo!ニュースは「ブラウザ」と「Yahoo! JAPANアプリ」、「Yahoo!ニュースアプリ」に分散しているため、簡単に把握することが難しくなっています。
(※2つのアプリの違いについては前回記事をご参照下さい)
スマホでのYahoo!ニュース利用者数は2,300万人
ブラウザとアプリでみると、ブラウザが1,600万人、アプリで1,220万人の利用者がいるということになっています。現状はブラウザが少し多い状況ですが、最近のアプリの伸びは目を見張るものがあり、ブラウザを抜く日も近そうです。
これらすべての重複を除いて合算すると2,300万人となり、これがスマホでのYahoo!ニュースの総利用者数と言えるでしょう。ちなみに、ニールセンデータ上のPCのYahoo!ニュース利用者は2,280万人ですので、ニールセンのデータでも、スマホでYahoo!ニュースをご覧になる方はPCとほぼ同程度にまでなっています。
「Yahoo!ニュースアプリは3位」の背景にはニールセン社の分類が影響
ニールセンのプレスリリースでYahoo!ニュースアプリが3位になっている件ですが、これには同社の分類が影響しています。ニールセンでは、数あるスマホサービスを独自に分類しており、その一つが「ニュースと情報サービス」です。
この「ニュースと情報サービス」カテゴリには、どのようなサービスが含まれているのでしょうか。まずは上位を見てみましょう。
Yahoo!知恵袋が1位、Yahoo!ニュース(ウェブ)が4位で1,607万人。Yahoo!天気が5位、Yahoo!ロコが7位、ネタりか19位と、トップ20に5つのYahoo!サービスがランクインしています。
「ニュースと情報サービス」カテゴリの成長には、Yahoo!ニュースを含む、多くのYahoo!サービスが貢献しているのです。
「Yahoo! JAPANアプリ」はどこに?
さて、「ニュースと情報サービス」ランキング上位に「Yahoo! JAPANアプリ」がありませんでした。
「Yahoo! JAPANアプリ」は、アプリストアのカテゴリでは「ニュース」カテゴリに属していますが、ニールセンの分類では「サーチ、ポータルとコミュニティ」という別のカテゴリに入っているため、このランキングには登場しません。
おおよその位置を見るために、この「ニュースと情報サービス」ランキングに当てはめてみると、5位と6位の間に入ります。
ニールセン発表のアプリランキングは、「ニュースと情報サービス」に基づくものですが、カテゴリのくくり方をかえればランキングの印象も変わります。
前回記事の野崎勇治スタートページ・ユニットマネージャーの話にあったように、「Yahoo! JAPANアプリ」は、利用意向のかなりの部分をニュース利用が占めていることなどから、意図的にアプリストアのニュースカテゴリに出しています。
そういった背景もあるので、「Yahoo! JAPANアプリ」と「Yahoo!ニュースアプリ」を合算し、App Store、Google Playのニュースカテゴリに属しているアプリをランキングするとこのようになります。
まとめ
ニールセンのスマホ視聴率データを使ってみてきましたが、まとめると以下のようになります。
- スマホのYahoo!ニュース利用者数は2,300万人で、PCと並ぶレベルまで来た。
- アプリからのYahoo!ニュースの利用者数は、1,000万人を越えている。
- Yahoo!ニュースがニールセン社発表のアプリランキングの1位に登場しないのは、「Yahoo! JAPANアプリ」が「ニュースと情報サービス」カテゴリではないため。
- アプリストアの「ニュースカテゴリ」のくくりでみると、Yahoo!ニュースが1位(「Yahoo! JAPANアプリ」と「Yahoo!ニュースアプリ」の合算)。
ここまでMobile NetViewのデータを見てきましたが、ニールセンの調査に限らず、このような調査のプレスリリースは各社でカテゴリ分けや数値の取り方が異なるケースもあり、特にスマホ版に関してはアプリ・ブラウザ・デバイスの違いなどPC版に比べると複雑な点が多いのも事実。「こういう見方もある」というスタンスで使うのがよいと思います。
(掲載したデータは、すべてニールセンの事前チェックをいただいたものを使用しています。)
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