Inside2015.12.01

根強い「ガンダム」人気・30代女性は「出産」~テーマ機能100万フォロワーから見える世代の関心

写真/アフロ

以前、当ブログでもご紹介したYahoo!ニュースのテーマ機能。自分の興味のある「テーマ」をフォローすれば、そのキーワードに関連するニュースだけを効率的に受け取ることができるというものです。リリースから約8カ月がたち、総テーマ数は1.5万(11月現在)。幅広い世代の方にご利用いただいています。当然、興味や関心は世代や性別によって様々です。

そこで今回は、100万にのぼるフォロワーの利用傾向から世代ごとの「今」を探ってみようと思います。

「サッカー人気」顕著に(20代男性)

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今回は、主なテーマの全フォロー数に対する年代ごとの割合を算出。その年代のフォロー数が他の年代に比べて突出して高いテーマを、年代ごとに20位まで割り出しました(※)。そのうち上位10位のテーマをグラフで示します。こちらは20代男性のフォローの割合が高かったテーマを10位まで並べたグラフです(例えば「就職活動・34.6%」は、「"就職活動"のテーマをフォローしているユーザーのうち、20代男性の割合が34.6%」を示しています)。

20代男性では「就職活動」(1位)や「公務員」(4位)などが上位にランクインしました。大学3年生頃には新卒の就職活動に向けて動き出す人も増えますが、そういった境遇にある方が多いのも20代の特徴。進路に関わるテーマへの関心は高いようです。

一方、スポーツに関するテーマでは、10位までのグラフに並べたテーマのほかにも、「リーガ・エスパニョーラ」(15位)や「ブンデスリーガ」(19位)など、海外サッカーに関するテーマが目立ち、20代男性のサッカー人気の高さが伺える結果になりました。

では同世代の女性はどういったテーマに関心があるのでしょうか。

「教育問題」や「子育て」に関心高く(20~30代女性)

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「女子力アップ」(1位)や「コスメ」(7位)など、美容や健康に関するテーマの人気が高い一方で、「不登校」(4位)や「教育格差」(5位)など、教育問題に関わるテーマも複数並びました。

また、「V6」が6位にランクイン。数あるアイドルグループのうち、なぜ「V6」が20代の支持を集めたのかはスタッフの間でもまだ解明できておりませんが、今年結成20周年のアイドルグループの根強い人気を感じた事例でした(単純なフォロワー数で比較すると「関ジャニ∞」が「V6」より上位ですが、全世代に対する20代女性のフォロー割合では「V6」が上回っていました)。

ところが同じ「女性」でも世代が上がると興味・関心は一変します。30代女性を見てみましょう。

30代女性は「妊活」(1位)や「育児休業」(7位)、「子育て給付金」(10位)など、出産や子育てに関するテーマが多くを占めています。女性の出産時の平均年齢は、第1子の出産が30.4歳、第2子が32.3歳、第3子が33.4歳(出典:平成26年版 少子化社会対策白書)と、30代が子育て世代の大半を占めています。そういった傾向がテーマ機能のデータからも伺える結果になりました。

また、「V6」や「関ジャニ∞」など男性アイドルへのフォローの割合が高かった20代に比べると、エンタメジャンルでも世代間の変化が表れました。グラフには挙がっていませんが、算出した20のテーマの中では、「星野源」さん(11位)や「綾野剛」さん(19位)など男性俳優の名前が挙がりました。

それでは男性はどうでしょうか。

「ドラクエ」「ガンダム」根強い人気(30代~40代男性)

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30代男性と40代男性の上位10位までのテーマを並べたグラフです。

 

少年の頃、誰もがとりこになったであろうゲームやアニメで世代の特徴が表れています。30代は「ドラゴンクエスト」(2位)や「PlayStation」(10位)が上位にランクイン。「ドラゴンクエスト」は1986年に1作目が発売、「PlayStation」は1994年に販売が始まりました。当時10歳頃の少年は、現在30代を迎えていることになります。

一方40代は「ガンダム」(1位)が人気です。こちらは1979年に放送が始まったアニメですから、こちらもスタート時に10歳前後だった少年が、現在40代半ばを迎えていることになります。

当時少年だった男性が今でも関心を持ってニュースをチェックしていることからも、これらの作品が長年にわたって多くの人々に愛されている名作であることを裏付ける結果となりました。

このほか、「セリエA」(3位)や「リーガ・エスパニョーラ」(7位)など30代男性は「サッカー」に関するテーマが目立ちます。これは20代男性でも同じ傾向でした。ところが、40代男性になるとサッカーに関するテーマは、算出した20のテーマには一つもありませんでした。

変わって目立つようになるのが、「車」です。トップ10に挙がったもの以外にも、メルセデス・ベンツ(12位)やホンダ(17位)など、算出した20のテーマのうち7つを占める結果に。各社の新車情報を一覧で見られる「新車レビュー」というテーマも11位にランクインしました。

最後に40代女性の方のデータを見てみましょう。

羽生選手を抑えた「高橋大輔」さん(40代女性)

フィギュアスケートや韓流アイドルが40代女性の支持を集めていることが分かります。特に注目したいのが、「高橋大輔」さんです。テーマ機能が始まった今年3月には、高橋さんはすでに現役を引退していました。それにも関わらず競技結果など多くのニュースが入ってくる「羽生結弦」選手のテーマを抑え1位にランクインしています(単純なフォロワー数で比較すると「羽生結弦」選手が上位にきますが、全世代に対する40代女性のフォロー割合では「高橋大輔」さんが上回っていました)。競技の第一線から退いたいまも、高橋さんの活躍の様子をニュースでチェックしておきたいという女性が、特に40代に多かったものと思われます。

今回のデータはあくまでテーマ機能のユーザーの傾向であり、世論や社会全体の傾向を表しているものではありません。共感できた部分もあれば、少し意外だと感じられた点もあると思います。多くのユーザーにご利用いただいている機能が示すデータの一つとして、それぞれの世代の「今」について考えるきっかけになれば幸いです。

※:30代男性、40代男性はその年代のフォロー数が200以上のテーマから年代ごとの割合を算出。その他の年代は、その年代のフォロー数が50以上のテーマから年代ごとの割合を算出しました。

「見頃」「なぜ」…スタッフオススメのテーマ

今回は特に人気のあるテーマについてご紹介してきましたが、テーマ機能には、上記のような人名や固有名詞だけではない一風変わったテーマもあります。最後にサービス担当者オススメのテーマをご紹介します。

  • 見頃 
    「見頃」に関する情報を収集できるテーマです。春の桜や秋の紅葉など、全国各地の「今の見頃」をチェックするのに役立ちそうです。
  • 裏側
    こちらは「裏側」にひもづくニュースを集めることのできるテーマ。映画などの作成秘話や、経済ジャンルの知られざる企業努力など、あらゆるジャンルの「裏側」に迫る記事を一覧で見ることができます。
  • なぜ
    日常生活での疑問を解決するような記事から、難解な政治や外交ニュースの解説まで、さまざまな「なぜ」を解説する記事をチェックできるテーマです。
  • 裏ワザ
    このほか「裏ワザ」というテーマも。こちらも日常生活で使えるような様々な「裏ワザ」をチェックできます。

スタートから8カ月、「テーマ」の今後は

リリースから約8カ月、多くの方々にご利用いただいているテーマ機能ですが、一方でまだまだ改善すべき課題もあります。担当者にサービスにかける思いや今後の展望を聞きました。

河野優子 「テーマ」プロジェクトマネージャー 「テーマ」は当初Yahoo!ニュース内の機能として誕生しましたが、今後はYahoo! JAPAN横断のプラットフォームとしてユーザーの皆様にお楽しみいただけるようなサービスへ成長させていきたいと考えています。既に「テーマ」を導入しているYahoo!ニュース以外のサービスもありますが、今後Yahoo! JAPANのトップページやスポーツナビ、GYAO!などにも導入を予定しており、Yahoo! JAPAN全体でシームレスにテーマをフォローできる状態にしたいと考えています。
また、ユーザーからの「こんなテーマが欲しい」といったご要望にお応えするリクエスト機能のほか、地域情報に関するテーマの細分化、ユーザーの興味関心にあわせたプッシュ通知の実装など、さまざまな施策を準備中です。まだ構想段階ではありますが、将来的には、同じ興味関心ごとをフォローしているユーザー同士がつながることのできる、居心地のよい場所作りも目指していきたいと考えています。
ニュースが「自分ごと」となり、従来の「消費型」から「参加型」のニュース体験をご提供したい。そのような思いのもと、これからも試行錯誤を続けて参ります。

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