Technology2016.02.17

コメント関連データで振り返るSMAP騒動~ニュースの反応への興味、女性が男性を圧倒

(写真:アフロ)

 SMAP解散騒動、北川景子さん・DAIGOさんの結婚など、多くの反響を呼ぶ芸能界の話題が相次いだ2016年1月。Yahoo!ニュースでも、さまざまな媒体から多くのエンタメニュースを配信いただきました。今回は、SMAP解散騒動をはじめとする1月上旬のエンタメニュースを、ニュースを読んだ先の「ユーザーの行動」を示す、コメント機能に関するデータで振り返ってみたいと思います。

コメント閲覧・滞在時間、女性が男性を圧倒

 まず、Yahoo!ニュースに配信される記事の個別ページの1月上旬の総PVと、Yahoo!ニュースのコメント欄の総PVの推移をそれぞれみてみます。

※いずれもYahoo! JAPAN IDを基に算出


 ベッキーさんと「ゲスの極み乙女。」川谷絵音さんの交際が報じられた1月7日、北川景子さんとDAIGOさんが結婚を発表した1月11日、そしてSMAPの解散が報じられた1月13日から騒動を受け番組に生出演した1月18日にかけて、いずれのPVにも伸びがみられました。1月上旬に相次いだこれらのエンタメニュースがYahoo!ニュース全体の数値にも影響を与えていたことがわかります。

 男女別にみると、Yahoo!ニュースは女性に比べて男性ユーザーが多い傾向にあるため、記事の個別ページでも一貫して男性が女性を上回って推移していました。一方、スタッフの予想に反した数値の動きがみられたのがコメント欄でした。過去に当ブログでご紹介したように、投稿者比率では男性の30~50代が全体の50%を占めており、通常なら男性が女性を上回っている状態が予想されます。しかし、ベッキーさんの話題が報じられた1月7日、そしてSMAPが解散騒動を受けて番組に生出演した1月18日に、コメント欄では女性PVが男性PVを大幅に上回るという異例の現象が起こりました。

 また、ユーザー1人あたりのコメント欄の平均滞在時間(利用時間/UU)も見てみると、SMAPが番組に生出演した18日には女性1人あたりの滞在時間が約14分と、男性に差をつけて非常に高い数値を記録していました。

 SMAP解散が報じられて以降、この話題は性別問わず多くのユーザーの注目を集めていましたが、コメント欄で女性ユーザーに関する数値の伸びが顕著にみられたということで、今回の一連の話題に関しては、「ニュースを読む」だけではなく「他のユーザーの考え・感想を知りたい」というニーズが女性に強く現れていたといえそうです。

 このほか、「そう思う・そう思わない」ボタン(下の画像参照)のアクション数(UB)をみると、全体的に他のデータに比べて増加率が高く、「ニュースを見る→コメントを見る」という行為にとどまらず、「コメントを見た上で、何か反応を示したい」というユーザーが通常よりも多かったことがわかりました。

 また、コメント投稿を実際に行ったユーザー数を世代別・男女別にみると、SMAP解散が報じられた時期では30~40代女性の増加率が最も高いという結果になりました。

オーサーコメントで過去最多記録

 SMAP解散騒動では、ニュース記事だけではなく、「Yahoo!ニュース 個人」に寄稿している有識者・専門家による「オーサーコメント」にも多くのユーザーの注目が集まったことも大きな特徴でした。

 ライター・リサーチャーの松谷創一郎さんによるコメントが「参考になった」数3万4000超を集め、約1年前にオーサーコメント機能を開始して以来、最多を記録。また、「オーサーコメント」へのTwitterからの流入の推移(下のグラフ参照)をみてみると、SMAP解散が報じられて以降、通常に比べてSNSからの流入が目立つ日が多く見られました。

 上記のグラフ上で、オーサーコメントのSNS流入を押し上げる要因となったコメントをいくつかご紹介します。

(注:グラフ①・1月15日の伸びの要因となった投稿は前日の14日で、投稿日とグラフ上の数値の伸びに1日ずれが生じていますが、これは夕方に投稿されたものが翌日にかけて拡散したためです)

 今回のSMAP関連ニュースは通常のエンタメニュースとは違い、インターネット上でさまざまな議論を呼びましたが、そうした状況下で投稿された「専門家によるコメント」の一般ユーザーのニーズの高さを裏付ける一例ともいえそうです。

コメント欄の健全な運営に向けて

 ここまでSMAP解散騒動を中心に、コメントに関するユーザーの反応をご紹介してきましたが、もちろんエンタメニュースに限らず、硬派な話題から柔らかめの話題まで多くのユーザーにご利用いただいております(1日投稿数約14万件)。膨大な数のユーザーが集まる場だからこそ、訪れるユーザーの皆様ひとりひとりが、ニュースを通じてさまざまな意見に触れ、新たな視点を得る、自分なりの考えを持つ……といったきっかけを得られる場にしていきたいと考えています。

 そのためYahoo!ニュースでは、「不快なコメントに触れ、嫌な思いをした」といったユーザーの皆様からのご意見・ご要望を受け、コメント欄の健全な運営に向けた取り組みを進めています。12月には特定のユーザーを非表示にできる機能を導入したほか、今月からは新たに、多数に非表示設定されているユーザーやコメントガイドライン違反の投稿を繰り返すユーザーについて、コメントの表示に制限を設ける機能を追加しました。

 これからもYahoo!ニュースはインターネットならではの良さを保ちながら、投稿者が読み手の気持ちを想像し、言葉遣いや表現などのマナーが守られるコメント欄を目指します。差別やレッテル張りを排除し、自由で健全な空間をどう創出していくか――。以前、当ブログでもご説明しましたように、子どもからお年寄りまで、幅広く膨大なユーザーにご利用いただいているニュースサービスとして、このような課題と向き合い、取り組んでいくことは私たちにとっての責務です。今後も、多くのユーザーの皆様に安心してご利用いただけるようサービス運営に努めてまいりますので、ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

参考リンク

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