森カズシゲ

【PR】育休中に生じた家事・育児の偏り――復職後の共働き生活を乗り越えるには

2018/2/20(火) 9:48 配信

4月に向けて、認可保育園の当落が続々と発表されている。無事に入園が決まったとしても、息つく間もなく多忙な新生活がやってくる。初めての出産・育休から仕事に復帰する母親が直面するのは、幼子を抱えての共働き生活だ。覚悟していたつもりでも、予想以上にハードな毎日につまずき、戸惑い、疲弊してしまうことも。育休復帰後の環境変化をいかに乗り越えるか――。その具体策を探る。

育休でキャリアがリセットされてしまうのでは

「もう仕事ができなくなったらどうしよう……」

一昨年の夏、フリーランスのライター・中野早苗さん(仮名・39)は初めての子育てに苦心し、追い詰められていた。産後、想像以上に体力は低下。しかし、子どもの世話で片時も気を抜けず、常に疲労感がある。出産前は早期の仕事復帰を見据えていたが、それどころではない。翌年の4月から子どもを保育園に入れるため、保活を始めなければいけないのに、区役所に行く心身の余裕すらなかった。

一方で、フリーランスで編集者をしている夫(43)は、子どもが生まれてからも変わらず好きなだけ仕事をしている。子どもはかわいい。それでも、夫がうらやましく思え、さらに焦りが募った。

「育児の合間や夜に仕事をしようにも、体力が持たなかった」と早苗さん。子どもを寝かしつけるうちに眠りに落ち、そのまま朝を迎えてしまうこともしばしばだった(イメージ:アフロ)

「私は母親になって、子どものペースに合わせた生活しかできなくなった。なのに、夫は父親になっても以前と同じペースで生活し、バリバリ仕事をしている。正直、『ずるい』と感じてしまいますよね」

早苗さんが住むのは、都内でも認可保育園に入るのが難しい地域。認可外保育園も競争率が高く、正社員の母親でも復帰を諦めるケースは多い。個人事業主の早苗さんは入所選考の基準となる「点数」を低く設定され、より状況は厳しかった。

フリーランスになってもうすぐ4年。ずるずると復帰が遅れれば、積み上げてきたキャリアがリセットされてしまうのではないか――。「自分のアイデンティティー」と言い切れるほどに人生を懸けてきた仕事を、一時は“諦める”ことさえ考えたという。

定着した「偏り」を解消できず……

早苗さんの夫は、家事や育児に非協力的なわけではない。むしろ、「主夫をやってもいい」とまで言ってくれる頼もしいパートナー。それでも産後すぐは、分担がなかなかうまくいかなかった。今思えば、出産前の話し合いが十分ではなかったと振り返る。

「毎朝毎晩、食卓をともにし、コミュニケーションは取れていたんです。ただ、出産後の仕事のペースなど、具体的なところまで想像ができておらず、何も共有できなかった。結果、当初は育休中の私ばかりが多くのタスクを抱えることに……。今は何とか保育園に入れることができましたし、夫も徐々に家事や育児をやってくれるようになり、私も少しは時間的な余裕を感じられるようになりました。でも、育休中にできあがってしまった偏りの不文律はなかなか解消されません。たとえば、保育園の送り迎えは必ず私がしています」

なんとなく定着した家事・育児の偏り。不満を抱きつつも、なかなか夫に言い出すことはできなかった(撮影:森カズシゲ)

しかし、このままでいいはずもない。自分がどれだけ苦しんでいるのか、夫に本音をぶつけようと決めた。

「これまでは『言わなくても察してよ』と、不満を募らせがちでしたが、恋愛中ならまだしも、子どもができたら家族の生活をうまく回していくことが最優先。そういう駆け引きなんかどうだっていいなと思い始めたんです」

夫婦でキャリアについての話し合いを

早苗さんのように、妻の育休中に生じた家事・育児負担の偏りが復職後も解消されず、再始動の足かせとなってしまうパターンは珍しくない。その原因について、パートナーシップ&ペアレンティングアドバイザーの林田香織さんは次のように分析する。

「多くの場合、育休中は家にいる妻が家事・育児をやり、夫が稼ぐという分業制がとられます。それを復帰後も解消できないのは、育休中に“家族運営”についての共有ができていないからではないでしょうか」

重要なのは、家族という一つのチームをともに運営していく意識。「子どもが生まれてからも共働きを選ぶなら、お互いのキャリアビジョンや働き方、家事・育児のルール、家計について、夫婦間で認識を共有しておくことが望ましい」という。

「授乳期はどうしても妻が育児の主担当になりがち。夫に任せることを不安に思う人もいますが、ここでうまく手放していかないと、後々苦しむことになります」と語る林田さん(撮影:中道薫)

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