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【PR】家事の負担と不満、どう分け合う――共働き時代の「家事シェア」

10/26(木) 10:01 配信

共働き世帯における家事・育児は、夫婦どちらかに負担が偏ってしまうケースも少なくない。双方が不満を募らせることなく無理なく家事を「分け合う」には、どんな考え方や工夫が必要なのだろうか。分担ではなく、家事を共有して夫婦で一緒に責任を持つ「家事シェア」という考え方をはじめ、共働き時代の家事のあり方について追う。

1年間の育休を経て、「本当の夫婦」に

愛媛県在住の伊藤悟志さん(34)は、妻(34)、長女(4)、長男(2)の4人暮らし。夫婦は共働きで、結婚当初から家事は分担するのが当たり前だった。

「でも、最初は互いに不満を抱えていました。妻も僕も、自分だけが頑張っているような気になって、イライラをぶつけ合うことも多々あったと思います」(伊藤さん)

完璧主義で、家事に求めるレベルも高かったという伊藤夫妻。つい、互いのやり方に不満を漏らしてしまうこともあった(イメージ:アフロ)

当時は「妻は料理、夫は掃除」といった具合に役割分担をしていたが、どちらかの仕事が立て込んだ時は、担当の家事を十分にこなせないこともあった。あらかじめ決めたルールを反故(ほご)にされると、フォローに回る側がまるで「尻ぬぐい」をさせられている気分になってしまう。そこで、考え方を変えてみた。

「家事の種類で担当分けはせず、その時々の状況に応じて『できるほうがやる』ことにしました。たとえば、妻の仕事が詰まっている日は僕が家事も保育園のお迎えも全部やりますし、逆に助けてもらう時もあります。僕ら夫婦にとっては、それくらいフレキシブルなほうがストレスは少なかったんですよ」(伊藤さん)

行き当たりばったりのようだが、2人にはこの形がしっくりきた。次第に、互いに手が空くと率先して「今できることはないか」考えるようになっていった。夫婦で家事・育児を分担する方法に、絶対の正解はない。重要なのはよく話し合い、お互いが納得できる最適解を導き出すこと。「分担がうまくいかない時期でも、夫婦間の密なコミュニケーションは欠かさなかった」と伊藤さんは言う。

「毎日、家事を終えた後に、妻とコミュニケーションをとる時間を設けていました。また、2人目の子どもが生まれた時には夫婦で1年間の育休を取り、たっぷり時間をかけて自分たちに合う家事・育児のやり方を見つけていったんです。育休って子どもの世話をするためだけでなく、妻とじっくり向き合うための期間でもあるはず。僕らはあの1年間でとことん話し合い、お互いの苦労もわかり合って、本当の夫婦になれたと思うんです」

第1子が誕生した時も2カ月の育休をとったが、その短期間では「妻の本当の苦労」は分からなかったという。1年間の育休は勇気のいる決断だったが「取得して本当に良かった」と振り返る(イメージ:アフロ)

なぜ、妻に家事の負担が偏るのか?

とはいえ、伊藤さんのように男性が1年間フルで育休を取得することは、日本ではまだまだレアケース。厚生労働省によると、2016年度の育休取得率は、女性の81.8%に対し、男性はわずか3.16%だ。育休制度の規定自体は、95%以上の企業が設けているが(事業所規模30人以上の場合)、いざ取得するとなると社内の空気がそれを許さないこともある。

伊藤さん自身も「同じ部署内の、特に50~60代の社員からは『男が育休なんて取ってどうする』『たっぷり遊べていいね』といった否定的な声もありました」と振り返るように、特に中高年以上の世代には「家事や育児は女性の仕事」といった考え方も根強く残っている。

「イクメン」「イクボス」という言葉が登場して久しいが、一部世代にはいまだ理解を得づらいのが現状だ(イメージ:アフロ)

労働政策研究・研修機構によると、2016年の共働き世帯は1129万世帯と、専業主婦世帯(664万世帯)を大きく上回る。社会全体が「共働き型」にシフトしつつある現在においてなお、そうした時代錯誤がまかり通るのはなぜなのか。父親を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也さんは次のように分析する。

「現在、多くの企業では1970年代生まれの40代男性が管理職に就いています。この世代の親は、夫が働いて妻が家を守るという『片働き』が多く、彼らはそれをロールモデルとして育ってきた。いわば、昭和の“男性稼ぎ手&専業主婦モデル”を現在も引きずっているわけです」

一方で、今の20~30代には「家事は家族みんなで行うもの」という意識が広がっているという。

「共働き世帯は1980年代後半から90年代前半にかけて急増しました。1992年に専業主婦世帯を上回り、現在も保育所不足が示すように増え続けています。つまり、今の20~30代にとっては、共働き世帯のほうがマジョリティーなのです。加えて、1993年に中学校で、1994年には高校で家庭科の男女共修が始まるなど、学校教育の影響も大きい。現役の育児世代と管理職の間で考え方にギャップが生まれてしまうのは、仕方のないことかもしれません」(安藤さん)

文部科学省「小学校学習指導要領」では、小学校の家庭科の目標に「家庭生活を大切にする心情をはぐくみ、家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる」(一部抜粋)ことを掲げている(撮影:森カズシゲ)

今なお「男性が稼ぐ時代」の価値観を引きずる上司のもと、夫は長時間労働で疲弊し、妻に家事の負担が集中するという悪循環。現役子育て世帯の多くは家事分担に前向きだが、「やりたくてもできない」現実もある。

「そうはいっても、少子高齢化で労働人口は減る一方。女性を家事の重圧から解放し、人材として活用していかないと、企業も社会も回りません。それに早くから気づき、女性活躍推進やダイバーシティ(多様性推進)に取り組んでいる企業もあります」と安藤さんは言う。

たとえば、カルビーは今年から場所を問わず勤務できる「モバイルワーク」を導入。メルカリは、昨年から育休・産休中の社員の給与を一定期間100%保障する「merci box(メルシーボックス)」を導入して話題になった。

「こうした多様な働き方を許容することで、優秀な人材を確保し、業績を伸ばす実例やエビデンスが積み重なってくれば、どの企業も旧来の働き方を見直さざるを得なくなると思います」(安藤さん)

加えて、政府は長時間労働の是正を柱とする「働き方改革」関連法案について、今秋の成立を目指していた。衆院解散により審議は先送りされたが、今後はこうした法整備も含め共働き型へ最適化した社会の枠組みが整っていくだろう。「法律ができれば、企業も変わっていくでしょう。経営者や、現場を預かる管理職の意識も、さすがにアップデートされていくはずです」と安藤さん。風向きは、確実に変化しつつある。

家事の“負担”と“不満”を分け合う「家事シェア」という考え方

ただ、「家事の分担」は口で言うほどたやすくはない。国立社会保障・人口問題研究所が発表した全国家庭動向調査(2013年)によると、夫婦の家事分担割合は妻85.1%に対し夫が14.9%。妻がフルタイム勤務の家庭でも、「約3分の2の妻が家事の80%以上を担っている」との結果が出るなど、妻の家事負担が多いことがわかったという。

では、こうした「偏り」はどうやって解消すればいいのか。「家事シェア」を提唱するNPO法人tadaima!代表の三木智有さんは、こう語る。

「私たちが考える『家事シェア』のポイントは、家事の“負担”と“不満”を夫婦で分け合うこと。家事の物理的な負担をシェアすると同時に、不公平感といった不満を一方がため込まないように努めることです」

三木智有さん(撮影:藤原葉子)

家事シェアというと、作業の割合を“二等分”するイメージだが、「割合自体は重要ではありません。その割合が夫婦の話し合いによって決められ、お互いに納得しているかどうかが重要なのです」と三木さんは強調する。

「夫婦にとって理想のバランスを見つけるには、個別の家事にかかる作業時間や労力だけにとらわれずに分担していく必要があります」

単純に得意・不得意で切り分けるのでは不十分だ。夫は掃除や洗濯が好きで、これらについてはあまり負担を感じていないかもしれない。あるいは、妻は料理が得意だけれども、日曜だけは休みたいと思っているかもしれない。

「一つひとつの家事に対して、各々がどのくらい負担に感じたり、相手に助けてほしいと思ったりしているのかを洗い出し、シェアの仕方を考えていく。そうすれば、お互いの不公平感は減り、納得できる形に近づけると思います」(三木さん)

家事に関する話し合いの際に、役立つツールもある。たとえば、内閣府男女共同参画局がウェブ上で配布している「夫婦が本音で話せる魔法のシート『○○家作戦会議』」だ。現状の家事・育児の負担感やパートナーに求めることを探りながら、「理想の割合」を見つけ出すために開発された。

「夫婦が本音で話せる魔法のシート『○○家作戦会議』」の一部。家事分担状況を書き出し、互いの本音を可視化することができる。シート内では、「第三者の手を借りる」「有料サービスを受ける」「思い切ってその家事はやめる」などの選択肢も提示されている

前出の伊藤さん夫妻も、昨年この「魔法のシート」に出合い、大きなヒントを得たという。

「互いの負担を可視化できた以上に、『家事をやめる選択肢』もあると気づけたことが大きかったですね。シートでは『家事の断捨離』という言葉で、余分な家事を減らすことを推奨しています。たとえば、毎日立派な料理を作れなくたっていいわけです。忙しくて手が回らない時は、外食したって、おにぎりを作るだけだっていい。理想を求めすぎると、互いを追い詰めるだけですから」(伊藤さん)

今では、家事をどんどん断捨離しているという伊藤さん。まずは、買い物の回数を劇的に減らした。日用品や生鮮品以外の食材はすべてネットスーパーに切り替え、冷蔵庫とは別に冷凍庫を買って数カ月分の食料品を保存。ティッシュやトイレットペーパーは数年分を買い置きしてある。

さらに、家自体にも家事の手間を減らす工夫を凝らした。キッチンには、洗った食器類を半乾きのまま収納できる棚を設け、食器を拭く作業をカット。鍋や調理器具はすべてつるして収納し、調理のたびに出し入れする手間を省いたという。

周囲のサポートや便利なアイテムに頼ったっていい

もし、夫婦2人だけで解決することが難しければ、外部からの助けを借りることも視野に入れたい。

「目的はあくまで『家事を滞りなく終わらせる』というゴールにたどり着くこと。そこに至るプロセスやアプローチにこだわる必要はない」と三木さんは言う。

自身も試行錯誤しながら、柔軟に家事シェアの方法を更新しているという三木さん(撮影:藤原葉子)

「家事の問題は夫婦間だけでとらえず、周囲のサポートを上手に活用し、チーム化させていくことが大切です。子どもが成長すれば十分に『戦力』になるし、互いの両親や友人に頼ってもいい。私は約30人の若い夫婦たちで構成された『産じょくヘルプ』というコミュニティーを運営していますが、メンバーに子どもが生まれた時は、お祝い代わりにママが少しでも休めるよう、家事を手伝ったり子どもの面倒を見たりしています」(三木さん)

身近なサポートだけでなく、便利なサービスや最新のテクノロジーを活用するのも一手だ。ネットスーパーやベビーシッター派遣サービスなどを活用して一部の家事・育児をアウトソーシングしたり、家事の物理的負担を軽減する最新家電を導入したりするのも、シェアの一つといえるだろう。

2016年12月に日本でのサービスが始まった「Amazon Dash Button(アマゾンダッシュボタン)」。ボタンを押すだけで、あらかじめ設定しておいた商品を購入できるIoTデバイスだ。日用品が少なくなった時にボタン一つで補充できる(撮影:森カズシゲ)

たとえば、パナソニックでは、まさに「家事シェア」をコンセプトとした商品群を展開している。同社が今年4月に30~40代の既婚男女約2700人を対象に行った調査では、「かける時間が足りない」という家事の1位に「平日の掃除」が挙がるなど、多くの世帯に平日の家事負担を軽減したいという意向がみられたという。外出先からでもスマートフォンで遠隔操作できるドラム式洗濯機、外出中に掃除を済ませてくれるロボット掃除機。家にいない時のスキマ時間を有効活用できるこうした家電も、共働き型社会を支えるリソースの一つといえる。

同社の最新ななめドラム洗濯機「Cuble(キューブル)」は、液体洗剤・柔軟剤の投入を自動化。また、専用のスマホアプリを使えば、外出先からも洗濯終了時刻の設定や変更、家族での操作共有などが可能。洗濯も、家にいなくてもできる「リモート家事」になった(パナソニック提供)

同社のロボット掃除機「RULO(ルーロ)」の新モデルには、専用のスマホアプリで外出先からの遠隔操作ができる機能を追加。掃除結果をスマホで確認でき、画面上で室内のごみの分布を可視化することで、より効率的な掃除が可能になったという(パナソニック提供)

家事シェアは「『負担』と『不満』を夫婦で分け合う」こと――。不満を解消するのはパートナーの役割だが、負担の軽減はパートナー以外にもできる。シェアの定義を広くとらえ、社会全体のあらゆるリソースを用いて、家事問題を解決していく方法を考えたい。

働き方が多様化しているように、「家の中の仕事」にも多様な考え方、選択肢があっていい。重要なのは夫婦がともに“家族ごと”として家事をとらえ、前向きに取り組むこと。そうすれば、おのずと偏りをなくすアイデアが浮かび、取るべき手段も見えてくるはずだ。

取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
編集・制作:ノオト
[写真]
撮影:藤原葉子 森カズシゲ
イメージ:アフロ


外出先からもスマートフォンで遠隔操作できる洗濯機「Cuble(キューブル)」やロボット掃除機「RULO(ルーロ)」。家電と家事を分け合うことで、ゆとりある時間を創出します。


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