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【PR】家事の負担と不満、どう分け合う――共働き時代の「家事シェア」

2017/10/26(木) 10:01 配信

共働き世帯における家事・育児は、夫婦どちらかに負担が偏ってしまうケースも少なくない。双方が不満を募らせることなく無理なく家事を「分け合う」には、どんな考え方や工夫が必要なのだろうか。分担ではなく、家事を共有して夫婦で一緒に責任を持つ「家事シェア」という考え方をはじめ、共働き時代の家事のあり方について追う。

1年間の育休を経て、「本当の夫婦」に

愛媛県在住の伊藤悟志さん(34)は、妻(34)、長女(4)、長男(2)の4人暮らし。夫婦は共働きで、結婚当初から家事は分担するのが当たり前だった。

「でも、最初は互いに不満を抱えていました。妻も僕も、自分だけが頑張っているような気になって、イライラをぶつけ合うことも多々あったと思います」(伊藤さん)

完璧主義で、家事に求めるレベルも高かったという伊藤夫妻。つい、互いのやり方に不満を漏らしてしまうこともあった(イメージ:アフロ)

当時は「妻は料理、夫は掃除」といった具合に役割分担をしていたが、どちらかの仕事が立て込んだ時は、担当の家事を十分にこなせないこともあった。あらかじめ決めたルールを反故(ほご)にされると、フォローに回る側がまるで「尻ぬぐい」をさせられている気分になってしまう。そこで、考え方を変えてみた。

「家事の種類で担当分けはせず、その時々の状況に応じて『できるほうがやる』ことにしました。たとえば、妻の仕事が詰まっている日は僕が家事も保育園のお迎えも全部やりますし、逆に助けてもらう時もあります。僕ら夫婦にとっては、それくらいフレキシブルなほうがストレスは少なかったんですよ」(伊藤さん)

行き当たりばったりのようだが、2人にはこの形がしっくりきた。次第に、互いに手が空くと率先して「今できることはないか」考えるようになっていった。夫婦で家事・育児を分担する方法に、絶対の正解はない。重要なのはよく話し合い、お互いが納得できる最適解を導き出すこと。「分担がうまくいかない時期でも、夫婦間の密なコミュニケーションは欠かさなかった」と伊藤さんは言う。

「毎日、家事を終えた後に、妻とコミュニケーションをとる時間を設けていました。また、2人目の子どもが生まれた時には夫婦で1年間の育休を取り、たっぷり時間をかけて自分たちに合う家事・育児のやり方を見つけていったんです。育休って子どもの世話をするためだけでなく、妻とじっくり向き合うための期間でもあるはず。僕らはあの1年間でとことん話し合い、お互いの苦労もわかり合って、本当の夫婦になれたと思うんです」

第1子が誕生した時も2カ月の育休をとったが、その短期間では「妻の本当の苦労」は分からなかったという。1年間の育休は勇気のいる決断だったが「取得して本当に良かった」と振り返る(イメージ:アフロ)

なぜ、妻に家事の負担が偏るのか?

とはいえ、伊藤さんのように男性が1年間フルで育休を取得することは、日本ではまだまだレアケース。厚生労働省によると、2016年度の育休取得率は、女性の81.8%に対し、男性はわずか3.16%だ。育休制度の規定自体は、95%以上の企業が設けているが(事業所規模30人以上の場合)、いざ取得するとなると社内の空気がそれを許さないこともある。

伊藤さん自身も「同じ部署内の、特に50~60代の社員からは『男が育休なんて取ってどうする』『たっぷり遊べていいね』といった否定的な声もありました」と振り返るように、特に中高年以上の世代には「家事や育児は女性の仕事」といった考え方も根強く残っている。

「イクメン」「イクボス」という言葉が登場して久しいが、一部世代にはいまだ理解を得づらいのが現状だ(イメージ:アフロ)

労働政策研究・研修機構によると、2016年の共働き世帯は1129万世帯と、専業主婦世帯(664万世帯)を大きく上回る。社会全体が「共働き型」にシフトしつつある現在においてなお、そうした時代錯誤がまかり通るのはなぜなのか。父親を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也さんは次のように分析する。

「現在、多くの企業では1970年代生まれの40代男性が管理職に就いています。この世代の親は、夫が働いて妻が家を守るという『片働き』が多く、彼らはそれをロールモデルとして育ってきた。いわば、昭和の“男性稼ぎ手&専業主婦モデル”を現在も引きずっているわけです」

一方で、今の20~30代には「家事は家族みんなで行うもの」という意識が広がっているという。

「共働き世帯は1980年代後半から90年代前半にかけて急増しました。1992年に専業主婦世帯を上回り、現在も保育所不足が示すように増え続けています。つまり、今の20~30代にとっては、共働き世帯のほうがマジョリティーなのです。加えて、1993年に中学校で、1994年には高校で家庭科の男女共修が始まるなど、学校教育の影響も大きい。現役の育児世代と管理職の間で考え方にギャップが生まれてしまうのは、仕方のないことかもしれません」(安藤さん)

文部科学省「小学校学習指導要領」では、小学校の家庭科の目標に「家庭生活を大切にする心情をはぐくみ、家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる」(一部抜粋)ことを掲げている(撮影:森カズシゲ)

今なお「男性が稼ぐ時代」の価値観を引きずる上司のもと、夫は長時間労働で疲弊し、妻に家事の負担が集中するという悪循環。現役子育て世帯の多くは家事分担に前向きだが、「やりたくてもできない」現実もある。

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