今村拓馬

SEALDs創立メンバー奥田愛基が見た「参議院選挙」

2016/7/13(水) 17:09 配信

昨年夏、安保法案に反対するSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の創立メンバーとして、一躍、時の人となった奥田愛基(24)。今回の参議院選挙では、野党候補の応援に奔走し、「今回ばかりは野党に投票」を掲げて全国を飛び回った。しかし、結果は与党の圧勝。この結果を奥田はどう受け止めているのか。そして、はじめて目にした選挙の舞台裏はどうだったのか。すでに解散を明言しているSEALDs最後の夏の戦いを振り返ってもらった。
(取材・構成 ノンフィクションライター中原一歩/Yahoo!ニュース編集部)

——最初に、奥田さんたち野党を応援した人は、今回の選挙の争点を「アベノミクス」ではなく「憲法改正」としていました。つまり、憲法改正の発議に必要な「3分の2」議席にあたる「78」議席を改憲勢力に渡さないための選挙だったはずです。結果的には参議院全体(改憲賛成の無所属・諸派をふくむ)で考えると事実上、3分の2はとられた。つまり、国民は政権与党を支持したことになります。これは事実上の「負け」ではないでしょうか?

安保法制の時も、結果を出すってなかなか難しかったわけじゃないですか。もちろん、一定の歯止めにはなったと思うけど。そもそもSEALDsの活動をスタートさせた時も、「デモとか絶対にメディアに相手にされない。政党なんて話を聞いてくれない。それでもやってみるか」みたいなテンションで始まっているんです。だから、「俺たち、マジで世界を変えれるぜ」みたいな若者像とは真逆で、政治に対してはどこか冷めている。テレビとかにも取りあげられて、僕が絶叫しているところが映されたりしているので、なんか自己陶酔しているように思われがちですが(笑)。だから、負けは負け。そう思っています。

けれども、「惨敗」かというと、そうは思いません。今回、全国の1人区で野党は「野党共闘」を成功させ、統一候補を立てて戦いました。その結果、全国に32ある1人区の選挙区のうち、野党は11議席を獲得した。選挙ドットコムなどの事前調査では多くても4議席とかだったので、かなりの善戦です。だからといって、2009年の民主党が政権奪取したときのような勢いは感じられません。けれども、前回の参議院選挙では、同じ1人区で獲得したのはわずか2議席ですから、それを考えると一定の効果はあったんじゃないかな。もし、野党共闘していなかったら、それこそ「惨敗」だったと思います。

2週間しかない選挙期間中、奥田は候補者の応援にあけくれた。東京から深夜バスで移動し、朝の8時からマイクを握ったことも。7月8日、池袋駅西口(撮影:今村拓馬)

——共産党を含む野党が1人区で統一候補を実現したのは初めてだと思います。奥田さんはSEALDs結成時からその必要性を訴えていましたが、なぜですか?

だって、おかしいと思いませんか。選挙制度上、どうしても選挙区で1人しか当選しないと分かっているのに、いつも野党はバラバラ。前回の参議院選挙なんて、民主党(現・民進党)、社民党、共産党、未来の党(現・生活の党)、維新の党があって、みんな「与党を倒す」とか言っている。けど、それだけ候補者が乱立したら「勝てるはずないじゃん」と思うのが当たり前。事実、これまで自民と公明は選挙協力して圧勝し続けてきました。

2014年の沖縄県知事選では、米軍・普天間基地の辺野古移設反対を掲げて、共産党を含めた複数の政党が選挙協力し「オール沖縄」を結成しました。そして、現・翁長沖縄県知事が誕生しました。沖縄って、ただでさえ各党の支持母体である建設業界など利害関係が複雑です。沖縄の離島で暮らしていた経験があるので、そんな地域のしがらみを乗り越えて協力することが、どんなに難しいか理解しているつもりです。

昨年夏の国会前デモの参加者らが、自発的に立ち会い演説会などに参加した。2016年7月9日、新宿駅東南口、小川敏夫候補の打ち上げ街頭演説会(撮影:今村拓馬)

このオール沖縄の誕生をきっかけに、選挙で野党が協力する方法を調べるようになりました。分かったのは、とても単純なことで、各党の党首や関係者同士が、直接会って話し合いをすること。そんな交渉をする文化そのものが野党側にはないことが問題でした。

だって同じ選挙区に、民進党と共産党がいて、長年、激しい票の奪い合いをしてきた歴史がある。場所によっては、民進党と社民党がいるところもある。過去には、無所属で立候補するからといって応援したのに、その後に社民党を裏切って民進党に入ったとか、もう人間関係は、後援会をふくめてグチャグチャ。そうした過去の因縁をチャラにして「野党共闘」と言っても、無理です。そもそも普段から会って話をしたことが一回もないとか言うんですから。

けれども、意見が違ってもまず、話し合ってみるって大事じゃないですか。今回、野党共闘で一番のネックになったのは、そもそも交渉のテーブルにさえつかない、染みついた政治文化でした。

そもそも、候補者と並んで学生など市民が応援演説をするカルチャーは日本にはなかった。2016年7月9日、新宿駅東南口(撮影:今村拓馬)

——昨年の夏の国会前の「安保法案反対」デモ。当初は、各党の代表が並んで参加することさえ、困難だったんですよね?

「安保法制反対」という主張は同じでも、民進党(当時は民主党)と共産党が一緒に声をあげるとか、一緒にテレビカメラの前に立つとか、絶対にあり得ないことでした。僕からすると、なんて小さなことにこだわっているんだろう、ですよ。一種のアレルギーですよね。

けれども、世論調査の数字など民意を無視して、何が何でも法律を押し通そうという政権与党のやり方に危機感が募り、しかも、毎週、国会前には数万人の市民が押し寄せるようになると、野党の国会議員の態度も少しずつ変化していったんです。

そして、昨年の6月、渋谷で安保法制に反対する街宣を行ったとき、3000人を超える人が参加し、そこで初めて、当時の維新も含めて、5野党の政治家が並んでスピーチをしてくれました。かなり手のつなぎ方がぎこちなかったけれど。これをきっかけに、野党間の距離が縮まるようになった。やればできるじゃんと。

演説をする候補者の市民が見守るという「絵」は、米国大統領選挙からヒントを得た。2016年6月19日、東京・有楽町の街頭演説会(撮影:ヤベシンタ)

そして、いままで有名議員でなければ100人も集まらない街頭演説会に、党員以外の学生やママなど普通の市民が参加するようになりました。多くの国会議員は、党員以外の市民が、自分の演説会や集会に足を運んでくれることが、とても嬉しかったのだと思います。この変化が次第に各党にも広がっていきました。こうして党派を超えて議員や政党の人が集まることが普通の光景になった。つまり、今回の「野党共闘」は、あの国会前の10万人デモがなければ、成功していないんです。

——けれども、仮に民進党と共産党など野党が圧勝し、政権を担うことになった場合、明らかに主義主張の異なる政党同士なわけで、「本当に大丈夫?」と不安になるのも、また普通の市民感覚だと思うのですが。

自民党と公明党だって、綱領から政策から何から何まで違う。民進党の中に共産党に対するアレルギーがあるように、自民党の中にも公明党に対するアレルギーだってある。それに、まさに「憲法改正」がそうですが、安倍首相は「9条を変えるのは自民党結党以来の理念であり悲願です」と言いながら、連立を組む公明党は「私たちは平和の党ですから9条改正には反対です」って、全く相容れないことを言っている。その他の政党も、政策は違うけれども「改憲には賛成」と言って自民党に協力する姿勢を見せています。

だから、きちんと有権者に政党の政策や主張を説明した上で選挙協力するのは別におかしいことではないし、それこそが政治だと思います。野党同士でののしり合ってることのほうがよっぽど意味ない。党員ではない有権者はずっと思っていたはずです。「絶対に当選しないと分かっているのに、なんで共産党は全ての選挙区で候補者を立てるのだろう」って。それに、同じ野党から出馬し落選した候補者は、絶対に心の中で「あの票があれば当選したのに」って、愚痴こぼしてますよ(笑)。

ちゃんとデザインされたチラシやパンフレットなどを見て、オジサン世代の国会議員がいちいち感嘆するのが面白い(撮影:ヤベシンタ)

——奥田さんは、「野党共闘」以外にも「市民が選挙に関わる」をテーマに掲げて、選挙の風景を変えたいと発言されています。それはどういうことですか。

日本での呼びかけって「選挙に行きましょう」っていうのがほとんどじゃないですか。「選挙行こう」と呼びかけるというのは、意味ないとは思いませんけど、一方で、誰に入れて欲しいのか、何で投票して欲しいのかってことを、もっと有権者が主体的に呼びかけてもいいと思うんです。僕は、投票用紙に名前を書いて箱に入れるだけじゃなくて、そこまでの過程が大事だといつも言っています。米国の選挙キャンペーンを見ているとホームページとかの一番上に「THIS IS YOUR MOVEMENT(これはあなたの運動だ)」って書いてある。対して、日本の選挙では、政党のホームページをクリックしても、候補者の名前しか書いてない。これでは応援したい気持ちがあっても、どうやって選挙に関わっていいのか全然分かりません。

選挙の応援も、候補者を見上げる街宣車ではなく、市民と同じ目線でやる。政治に関心を持つ人を、少しでも増やしたい(撮影:ヤベシンタ)

例えば、候補者の選挙事務所に行くじゃないですか。けど、多くの場所で「お気持ちだけで結構です」とか、本当は手が足りてないのに「今は手が足りてます」とか、そんな対応ばっかりでした。いまの政治は、あくまで「党員」のためのものであって、普通の市民には開かれていないように感じました。

民進党の結党大会に参加し、スピーチした時にも感じたのですが、そこに集まっている数千人のうちのほぼ8割はスーツを着た男性で、全員党員で、「国民とともに進む。」という理念は分かるのですが、そもそも、そこに普通の人はいない(笑)。結党大会ですから仕方がないのかもしれませんが、これは誰のための、何のための儀式なのか、正直分かりませんでした。「国民とともに進む」ことをアピールするのであれば、もっと開かれたものであるべきです。

選挙を盛り上げるこのプラカードは、コンビニのネットワークプリントを利用し、誰でも印刷することができる。2016年7月3日、新宿三丁目交差点(撮影:ヤベシンタ)

それに、どの政党でも同じだと思うけど、選挙の時に有権者のことを「ターゲット」と呼ぶんです。マーケティングの手法なので仕方がないのかもしれませんし、僕が気にしすぎなのかもしれませんが。ターゲットに伝えるのも大事だけれど、一緒に応援したいとか、一緒に今回の選挙を戦いたいとか、今回負けてもらったら困るとか、もっとこういう政策して欲しいとか思って選挙に参加しようとしている人たちを、ターゲットとして、完全に外側の人にして、お客さんにしてしまうのはもったいない。しかも、選挙の時だけ来い、みたいな感じになっても、そんな都合のいい話はないわけですよ。

——そのためには選挙に関する約束事(ルール)を定めた公職選挙法の壁もあるとおっしゃっていますね。

選挙に関わると、本当に変だなと思うことがたくさんあるんです。よく言われることですが、立候補するためのお金、供託金が日本は高すぎる。アメリカ、フランス、ドイツなどでは無料、カナダ、イギリスでも11万。対する日本は小選挙区なら300万、比例なら600万とべらぼうに高い。普通の人は立候補できません。でも、そんなことは序の口で、もっと意味が分からないことがたくさんあります。

ちゃんとデザインされた配布物は、その場で捨てられるケースが少なく、受け取ってくれる確率も高い(撮影:ヤベシンタ)

例えば、みんな街宣カーが名前を連呼するのを不思議がるのですが、あれって、候補者がいない場合は、走行中の選挙カーは基本的に名前の連呼しかできないんですよ。こんなの完全に日本だけのカルチャーです。名前を連呼してもそんなに意味ないでしょう。法定ビラに政策や推薦人名を載せることはできても、候補者の名前を載せることは禁止されています。いやもうこれとか訳分かんないでしょう? もらった人は誰のビラだかパッとみても分からない。実際、これ何のビラですかって聞かれたこともあります。

他にも、公示日を前に候補者の実名が入ったものは配れないので、候補者は名前じゃなくて「本人」って書いたタスキをつけてたりね。なんで実名じゃダメなの?って。それから、昔は30日あった選挙期間ですが、今では12日間になっていて、あっという間に終わってしまいます。ほんと不思議なことばかりです。大枠の建て付けが、この法律が作られた戦前からあまり変わっていないこともひとつの理由でしょう。国の未来を決める選挙ですから、名前の連呼だけして選挙が終わらないようにして欲しい。

普通の人が選対に行ってみたら、「あれ? なんでこれ、この法律ってこうなってんの」とか、「これやっちゃいけなくてこれはやっていいの」みたいな。メールは出しちゃ駄目でSNSはオッケーでとかも含めて、なんかよく分かんない。この法律が市民の参加を阻む壁なんじゃないかなと、選挙に関わって思いました。政党の人も、公選法の壁ぎりぎりぐらいまで市民の人たちに開こうっていう姿勢がないと、やっぱり僕は駄目だなと思います。

——今回は18歳選挙権が認められた最初の選挙でした。世論調査などをみると、実は政権与党を支持している割合が多いのは、10代と70代であることが分かります。

確かにそうですね。けれども、個別の政策、例えば「憲法改正」について聞いてみると、それでも20代の半数以上が「改憲する必要はない」と答えている。安保法制の時もそうでした。そう考えると、若い世代は、経済政策にしても、外交にしても、安定的な政党かどうかってところに重きを置いているんじゃないかと。今回の選挙は投票率こそ低かったですが、それでもはっきりしたことは、与党に比べて野党は、若者にとって魅力的っていうか、ちょっとここに懸けてみたいなっていう政党になり得なかった。

どの候補の応援演説に行っても24歳の奥田は最年少。若者が顔をさらして選挙に関わるハードルはまだまだ高い。2016年7月8日、浦和駅西口(撮影:今村拓馬)

そもそも、日常生活の中で、どの政党の人たちの声や姿にふれる機会が多いかというと、間違いなく、政権を担っている自民党ですよ。テレビだってネットだって同じだと思います。与党側の広告のほうが目につきます。だから、野党がホームページにどんなに若者の目を引くようなマニフェストを上げたからといって、何か変わるかといえば変わらないと思う。相当努力をして「いままで思ってた政党の感じと全然違うぞ」ぐらい話題になる打ち出しをすれば変わるかもしれませんが、基本的にはそういうレベルの話じゃない気がします。構造的な問題のような気がします。

それから、今回、「選挙に行こう」というメッセージを伝えるために、各党、若者を意識したコンテンツをつくって配信していた。そういうのも大事かもしれないけれど、メディアも含めて、じゃあ若い人に向けて何をするのかっていうところが完全に抜け落ちている。そういう議論もほとんど行われませんでした。そういう話は抜きにして、「とにかく若者は選挙行け」とか、「政治に関われ」っていうメッセージだけが強くなって、非常にアンバランスな感じがします。

街中でも選挙に関わるボランティアを募る。多い日で一日100人以上が登録した。2016年7月3日、新宿駅東口(撮影:ヤベシンタ)

——選挙を通じて自民党や公明党の選挙を見聞きする機会も多かったと思いますが、どう思われましたか。

自民党、公明党の選挙はまた全然違いますけど、人に対して向き合おうとする姿勢みたいなものが、人間っていうものを相手にしようとしてるっていう意味では自民党はすごい。ただ正しいことを言おうって感じじゃない。例えば、1人でも手を振ってくれる人がいたら車を降りてあいさつに行くとか、そういう選挙の作法は野党より、徹底されていると思う。今回、アベノミクスの恩恵を実感できない地方では、自民党に対する不満が自民党支持者からも出たとかいう話を何度も聞きました。けど、そうした不満から逃げず正面から抱きかかえるというか、ある種開き直ってきちんと頭下げる。もう一回、自民党に託そうと思わせるあの感覚は、どこか人情にうったえる「綾小路きみまろ」さん的で、すごいと思いました。小泉進次郎さんの演説とか聞きに行くと、政策の内容というより、その土地土地の地元の話をして、人情なんですよ。自民党に不満があっても、どこか憎めないしホッとする。

代官山にあるクラブで「DON’T TRASH YOUR VOTE」というイベントが投票日前日に開催された(撮影:今村拓馬)

それに比べると、野党は組織基盤が弱いわりには、その必死さみたいなのが伝わらなかった。選挙のオーソドックスっていうか、もっと「確実に一票を取りに行く」執念のようなものは、与党に学ぶところはたくさんあるなって正直に思います。頭が良くても、上から目線の話だと聞きたくないじゃないですか。

——すでにSEALDsは解散すると明言されていますが、これから、政治とはどのような関わりを持たれるのですか?

自分にとってはSEALDsがあるかないかとは、あんまり関係ないんです。それはプロジェクトチームの名前でしかありませんから。SEALDsがあろうがなかろうが、自分の日常で関われる限り、政治には関わっていくっていうのが、あるべき姿だと思います。

今回の選挙って、要は組織をいくら固めたとしても足りない部分があるっていうことがよく分かった選挙だと思うんですよ。組織の足し算だったら結局組織が大きい所が勝ちますから。それだけやってても野党が政権を取ることはないでしょう。そもそも、自民党も公明党も民進党も共産党も、党員の高齢化がハンパないんですよ。そもそも国会議員の平均年齢はものすごく高いけど、あと20年たったら現役の国会議員はほとんどいないはず。50代でさえ青年部ですから(笑)。それ以上に、地域社会で地方議員を担っている人たちの高齢化率は高いですから、状況はもっと深刻です。今の日本の選挙は本当に50〜60代の人が支えているようなものなんです。このままいけば、ノウハウを引き継がれないままに突然バトンを渡されるような気もします。

どこに行っても候補者以上に多くのメディアに囲まれる奥田。選挙期間中は2度も熱中症で倒れた(撮影:今村拓馬)

それを考えると、やっぱり本当にどうやって新しい人に少しでも選挙に関わってもらうのか、政治の担い手になってもらうのかっていうのを真剣に考えなくてはならない。その影響を真っ先に受けるのは、与党自民党ではなく、さらに弱い野党であることは間違いありません。昔は労働組合の組織率が高く、商店街など地域社会がしっかりしていた。しかし、どちらもいまでは日本の光景としてなくなってきています。政治のことを話す場が社会の中からどんどんなくなっている。

だからこそ、言いたいのは、有権者側も政党も「選挙に行こう」だけでなくて、「選挙に関わろう」もしくは「政治に関わろう」って言おうよ、ということです。つまり、政党は選挙期間だけでなく、日頃から市民に対して開かれていることが求められるし、市民もそのカルチャーを育てていかないといけない。また、今回はじめて選挙に関わった人は、0か100かで考えるのではなく、どの点が足りなくて、どの点で変化したのか注意深く見る必要があります。今回の選挙では、普段政治のことを書かない著名人や有権者が、ツイッターなどで投票の呼びかけをしたり、政治について自分の意見を述べていました。だからといって投票率が爆発的にあがったわけでもありません。それでも意味がなかったことにはならないと思います。

僕はこれからの社会がバラ色の未来だとは思えません。しかし、困難な時代だからこそ、政治のことを真剣に考えなければいけない時代にきているのだと思います。

(撮影:今村拓馬)

奥田愛基(おくだ・あき)
1992年福岡県北九州市生まれ。2015年SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)を結成。安保法案に反対する国会前デモを主宰し、大きな注目を集める。現在、大学院修士課程に在籍。共著本は多数。2016年6月に自身としてはじめての単著『変える』出版した。


中原一歩(なかはら・いっぽ)
1977年生まれ。ノンフィクションライター。「食と政治」をテーマに、雑誌や週刊誌をはじめ、テレビやラジオの構成作家としても活動している。著書に『最後の職人 池波正太郎が愛した近藤文夫』『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』など。

[写真]
撮影:今村拓馬、ヤベシンタ
写真監修:リマインダーズ・プロジェクト
後藤勝


参議院選挙が終わった。結果は与党の議席が改選121議席の過半数を大きく上回り、改憲勢力が改憲発議可能な3分の2を占めた一方で、1人区での野党統一候補が当初の予想を上回り11勝(21敗)と一定の成果をみせた。この結果と今後をどうみるのか、注目の人物に聞いた。本記事に続く第2弾はこちら「『日本会議』の源流、村上正邦が参院選後に語る『改憲』」。

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