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千歳線、謎の無人駅「サッポロビール庭園」には何がある? 区間快速エアポート号で空港から直接訪問可能に

鉄道乗蔵鉄道ライター
サッポロビール庭園駅全景(筆者撮影)

 2024年3月のダイヤ改正でJR北海道は千歳線の輸送体系を大きく見直した。それまで、日中時間帯に毎時5本が運行されていた札幌―新千歳空港間を結ぶ「エアポート号」を毎時6本に増発。ダイヤ改正前までは日中時間帯の「エアポート号」の種別は快速のみであったが、ダイヤ改正以降は特別快速、快速、区間快速の3種類が設定されることになった。

 このうち、区間快速については、これまで快速が停まらなかった北広島―新千歳空港間の各駅に停車することとなり、途中にあるサッポロビール庭園駅には指定席uシート付の区間快速「エアポート号」で札幌や新千歳空港から直接訪問することが可能となった。

 サッポロビール庭園駅は、1990年に地元の要望によって開業した無人駅であり、これまでは普通列車しか停車していなかったことから、これまでの快速「エアポート号」のユーザーにとってはあまりなじみのない駅ではないだろうか。そんなサッポロビール庭園駅にはいったい何があるのか現地を訪問してみた。

筆者は札幌駅から訪問(筆者撮影)
筆者は札幌駅から訪問(筆者撮影)

駅名の由来は隣接するサッポロビール北海道工場

 サッポロビール庭園駅の駅名の由来は隣接するサッポロビール北海道工場に由来する。サッポロビール北海道工場は1989年に操業を開始したが、この工場には庭園を有していたことからそれがサッポロビール庭園駅の由来となった。

 1990年の開業当初は、相対式ホーム2面2線の地上駅だったが、1992年の新千歳空港駅の開業と快速エアポート号の運行に伴う列車本数の増加に対応するため駅構内を拡張し、待避線が新設。現在の2面4線構造になっている。

 2024年3月のダイヤ改正以降に停車するようになった区間快速エアポート号では札幌駅からの所要時間は29分、新千歳空港駅からの所要時間は13分となっている。筆者は区間快速エアポート号で札幌駅からサッポロビール庭園駅を訪問。列車から駅ホームへと降りるとそこから跨線橋を上って外へと出ることができた。駅の外に出るとちょうど千歳方面からの貨物列車がサッポロビール庭園駅の待避線に到着し、快速列車の通過待ちをしていた。

 駅の周辺は工業団地となっている。サッポロビール北海道工場のほか複数の工場が集積しており、駅の利用者にはこうした工場への通勤客も見られるようだった。また、サッポロビール庭園駅から恵庭駅方面に数百メートル進むと住宅地が広がっていたことから、近隣住民の一定の利用もあるようだ。さらに、駅前には無料の駐車場が整備されており地元住民の利用者とみられる複数台のクルマが停めてあった。

駅を出ると貨物列車がやってきた(筆者撮影)
駅を出ると貨物列車がやってきた(筆者撮影)

事前予約で試飲付き工場見学もできる

 駅前にあるサッポロビール北海道工場では、事前予約のうえで大人1,000円を払えば試飲付き工場見学も可能だ。区間快速エアポート号の停車により新千歳空港からわずか13分でアクセス可能となったサッポロビール北海道工場。北海道旅行の際には、新千歳空港から札幌に向かう途中でビール工場見学をするのも楽しいかもしれない。

工場見学ができるほかレストランやパークゴルフ場もある(筆者撮影)
工場見学ができるほかレストランやパークゴルフ場もある(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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