大野均、トップリーグ150試合出場達成!直後に「負けん気を出して…」と語る。【ラグビー旬な一問一答】
東芝の大野均が、日本最高峰ラグビートップリーグ史上初の通算150試合出場を達成した。
同リーグ発足14シーズン目の2016年9月2日、東京・秩父宮ラグビー場での第2節で後半23分から出場。NECを相手に25―8で勝利した。
2004年から選出されている日本代表でも歴代最多の98キャップ(テストマッチ出場数)を誇る大野は、福島県郡山市出身の38歳。身長192センチ、体重105キロとのロックとして、献身的なプレーや朴訥とした人柄で首脳陣の信頼やファンの人気を集める。
地元の日大工学部キャンパスで楕円球と出会うや、部員20名前後のクラブにいながら素質を買われて東芝入り。今季は日本で発足したサンウルブズの一員として、国際リーグのスーパーラグビーでのデビューを果たしていた。
記念すべきゲームを終えるとチームメイトからの胴上げで祝福された大野に対し、特別なセレモニー等はおこなわれなかった。
現役時代をともにプレーした冨岡鉄平ヘッドコーチは、「素晴らしいこと。是非、リーグとしてきちんとしたセレモニー等の形ができてくればいい。これは『どうなってるんだ!』と言いたいのではなく、我々も事前に調べて、この素晴らしい瞬間を素晴らしい形で迎えられるように、と。企業と協会が協力していきたい」と提案した。
ピッチに登場した瞬間に大きく拍手した瀬川智広・7人制日本代表ヘッドコーチは、2010年度まで東芝のコーチ、監督として大野を指導していた。
「チームに必要とされることを黙々とやることが自分のなかでの仕事だと、きちんと整理されている選手。僕らとしては起用しやすい。日本代表でどれだけ疲れていても練習を休まない。僕がコーチをしていた頃も、ジャパンのラインアウトがいいなと思って大野に聞いても『東芝のラインアウトの方がいいです(東芝に合っている)』と返してくるくらい。そのチームに必要なことを徹底する」と話した。
以下、試合後の一問一答(一部編集箇所あり、共同取材)。
――試合後は胴上げをされていました。
「急にやってもらったので、びっくりしました。いいもんですね。胴上げをされるって」
――きょう、グラウンドへ出てゆく時の気持ちは。
「すごい歓声で迎えてくれたのでね、チームメイトもハイタッチをしてくれて。余計、気合が入りました」
――タッチライン際で出番を待つところを、テレビカメラが斜め下から撮影していました。
「あ、そうなんですか」
――最近はリザーブ出場が続いています。冨岡ヘッドコーチ曰く、「(先発出場したいと)直談判しにくる」とのことですが。
「いや、別に先発で出してくれとは言っていないですけども…。いつ自分が先発になっても恥ずかしくないように、練習から集中するようにはしています。もちろん、スターターにはこだわりたいですね。リザーブでいいと思っちゃった時点で、伸びしろはなくなるのかなと常に思っています。梶川(喬介・副キャプテン)、小瀧(尚弘・前年度の新人王)と、きょうもいいパフォーマンスをしていた2人(のロック)に、負けん気を出してやっていきたいです」
――振り返って、どんな150試合、ですか。
「まさか150試合も出られるとは思っていなかった。ただ、常に優勝争いをやってきたなかで150試合を出られたというのは(トップリーグ開設以来常に上位4強入り)、幸せだなと思います。常に優勝を狙えるチームで、ずっと優勝を意識して試合に出られたので」
――次は200試合ですか。
「そこまでは見ていないです。まずは1戦、1戦。東芝は、きょうベンチに入れなかったなかにもいつ出てもおかしくない選手がいっぱいいる。そういう選手がいるなか、『自分(大野)が出た方がいい』と思ってもらうには、恥ずかしいプレーは見せられない。1戦、1戦、やっていきたいです」
――日本代表でも100キャップが近づいています。
「まずはこのトップリーグでいいパフォーマンスを見せて、次の日本代表に招集されることです。ここでそうしないと、日本代表に繋がらない。そういう意味でも1戦、1戦、ですね。ワンプレー、ワンプレーを大切にしたいです」
――きょうは日本代表のジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチが観戦していました。
「知らなかったです。じっくり話したことはないですけど、気さくな方だなという印象です」