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もはや絶滅危惧種?「窓口販売」の往復割引切符 札幌から稚内・網走方面への特急乗車は2列車が1枚に表記

鉄道乗蔵鉄道ライター
稚内ー札幌間は2列車が1枚の券面に表記される(筆者撮影)

 2024年3月ダイヤ改正で、JR北海道は道内を走る特急列車の指定席を拡大。加えて、全席指定席化された特急列車の窓口での往復割引きっぷ販売を廃止し、割引きっぷの販売はえきねっとに1本化された。全席指定席となったのは、札幌―函館間の特急北斗号、札幌―室蘭間の特急すずらん号、札幌―釧路間の特急おおぞら号と札幌―帯広間の特急とかち号だ。このうち、特急すずらん号については、ダイヤ改正以降から乗客が蒸発し空席の目立つ車内の様子が相次いでSNS上に投稿され物議をかもした。

 一方で、札幌から旭川、稚内、網走方面を結ぶ特急列車には自由席が残されており、窓口での往復割引きっぷの販売が継続されていることから、当日の急な乗車でも割安な金額で特急列車の利用ができる。えきねっと割引は原則として列車ごとの販売となっているが、札幌から稚内と網走方面に向かう特急列車については、旭川駅で改札口を出なければ特急料金が通しで計算される特例が設けられており、特急列車の指定席を利用する場合には2列車が1枚の券面に表記される。

 筆者は、以前、札幌―稚内間をこの指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)を使用して往復しているが、往復ともに札幌―旭川間は特急ライラック号に旭川―稚内間は特急サロベツ号に乗車したことから、これら2本の列車の指定席が1枚の券面に表記された。画像は、消費税が8%時代のものであるが、現在の札幌―稚内間のRきっぷは4月1日~11月30日までの夏料金が13,310円、12月1日から3月31日までの冬料金が14,410円に設定されている。

 現在、JR北海道は、特急列車の指定席の拡大と割引切符のえきねっとでの販売の1本化を押し進めていることから、稚内、網走方面への特急列車の自由席と窓口での往復割引きっぷの発売がいつまで続くのかは不透明だ。切符マニアの読者の方にはRきっぷの発売が終了となる前に、1枚の券面で2列車乗り継ぎを行うことをお勧めしたい。

Rきっぷと座席指定券(筆者撮影)
Rきっぷと座席指定券(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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