シビれるほどに花火が近い!6月1日開催の花火大会「信州はなびりうむ in のりくら」レポート
2024年6月1日(土)、長野県松本市の乗鞍高原で、「信州はなびりうむ in のりくら」が初開催されました。こちらは松本市に拠点を構える老舗煙火店「華松煙火(はなまつえんか)」が主催した、乗鞍高原でその空間と花火、そして飲食を楽しむイベントです。
私がこのイベントを知ったのは、クラウドファウンディングサイト「CAMPFIRE」でした。「煙火店が主催する」珍しい花火大会だということ、そして乗鞍高原という素敵な舞台に加え、リターンに松本駅からの往復バス付観覧チケットがあったことが決め手になり、支援させていただきました。
6月1日、松本市は晴れ!
開催当日の6月1日、私は松本駅13:30発の送迎バスに乗車しました。市街地から離れた場所で開催されるイベントは、魅力的だと思っても自家用車がないと行けないことが結構あるので、この往復バス付リターンは本当にありがたかったです。
1時間ほどバスに揺られ、会場である「乗鞍BASE」に到着。
標高約1500mに位置する「乗鞍BASE」は、緑が輝き、遠くに雪をかぶった山並みが見渡せる、開放的できれいに整備されたところでした。
花火大会の第一観覧エリアでもあった、芝生大ひろば。イベントを楽しんでそのまま泊まれるテントサイトも設営されていました。
実はこの数日前、台風1号が発生。天気予報は日々ころころ変わり、一時は雨予想も出ていました。ですが当日は、快晴とはいかないまでも青空も見え、暑くもなく寒くもなく、とても過ごしやすい気候となりました。
ひとまず観覧エリアを見て回って、観覧場所の確保完了。さあ、花火大会まではまだまだ時間があります。何をして過ごしましょう。
日中は食やステージイベントがお楽しみ
日中は、第一観覧エリアではステージイベントが行われ、第二観覧エリアとなっていた駐車場にはキッチンカーが出ていました。
16時頃にはまだお客さんも少なく、キッチンカーも空いていました。これは早めに腹ごしらえをしておくほうがよさそうです。
定番のピザやクレープ、最近人気の「10円パン」などいろいろ並んでいましたが、せっかくだから信州らしいものを食べたいな、ということで…
安曇野放牧豚farmersのキッチンカーで、チーズフォンデュバーガーをいただきました!
こんがりパン、肉は厚め、チーズたっぷり、野菜もいっぱいでめっちゃボリューミー!そしてドリンクは…
松本市内に醸造所を構える松本ブルワリーのセッションIPAをいただきました。
ホップの香りがしっかり効いて、さっぱりした苦みの爽やかなビール。青空の下で飲むのにぴったり。
自家用車ではないので飲酒も安心です。
また本部テントでは、松本市の酒蔵・大信州酒造の「夏のさらさら 純米吟醸」のふるまいもありました。諏訪のお酒はよく飲むのですが、松本市内の酒蔵のお酒は初めてだったかも。
ステージエリアでは、よさこいサークル「信衆」がエネルギッシュな踊りを披露してくれました。
山形村の和太鼓チーム「彌磨太鼓」の躍動感ある太鼓も、山並みを背景に響き渡ります。
他にも清水舞花さん、田中奏一郎さんのサックス演奏などもあり、開放的な空間に心地よく広がる音を楽しみます。
日没頃のランタンの打ち上げは、想定より空が明るかったのか、ランタンが思ったほど明るくなかったのか?イメージ通りではなかったかも、と思いましたが、花火大会の間は、明るすぎない優しいランプの灯りがともっているようで、綺麗でした。
いよいよ日没、花火が始まる!
さあ、19:30となり、いよいよ打ち上げ開始!
オープニングはミュージックスターマイン。流れた曲は、ボン・ジョヴィの「It’s My Life」。え、しぶっ!!
アットホームな感じの花火大会で、お子さん連れも多かったので、最初はキャッチーな人気曲でくるかなと思いましたが、いきなりクールな曲でカッコよく始まりました!
「It’s My Life!」のフレーズとともに夜空に開いた花火に歓声が上がります。
2曲目はSPYAIR「オレンジ」。加速感のある曲に合わせ、花火もどんどん加速!バチバチはじけ、フラッシュする花火に会場のボルテージも上がります。
とにかく花火、近い!!
さすが、保安距離が他県よりも短いという長野県の花火です。私は第一観覧エリアでもかなり後ろの方で撮影していたんですが、それでも横構図ではまったく歯が立ちません。
あったまった会場に、耳に馴染んだイントロが流れ、ドラゴンボールZの「CHA-LA HEAD-CHA-LA」が来ました! 大人にもお子さんにもなじみのある曲で、さらに盛り上がります。
作者の鳥山明氏が今年3月に逝去されたことも記憶に新しく、そのリスペクトもあったのかもしれませんね。
続いては、尺玉(10号玉)と5号玉の単発花火のコーナー、そしてメッセージ花火と、1つ1つの花火をじっくり楽しむコーナーが続きます。
以前華松煙火さんに取材させていただいたときに、「花火そのものを楽しんでほしい」「今はいろんな花火があるので、それを見てもらいたい」と伺っていました。
その言葉のとおり、花火は芯入割物あり、時差式あり、千輪あり、八方咲きありと多彩。松本市内では保安距離等の関係で通常上げられない尺玉も、上空に大輪の花を咲かせました。
大切な人へのメッセージとともに上げられるメッセージ花火では、お祝いごとの花火があがると、会場内からも「おめでとう!」という声と拍手が。たぶん、知らない人だと思うんですが(笑)
知らない人でも祝うという、会場内は温かい空気になっていました。
メッセージ花火がかなり多い、というお話だったので、単発花火が多いともしかしたら間延びするかな?とも思っていたのですが、ごらんのように、1つ1つ個性的な花火が上がるんです。
おおお~!!という驚きの声もたくさん聞こえてきました。
クラウドファウンディングのリターンの1つだった「オーダーメイド花火」では、Adoの「向日葵」に合わせて夜空にひまわりが咲きました。
花火の打ち上げはトータルで30分ほどだったので、あっという間にエンディングを迎えました。
エンディングは、Miwaの「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」。
上空で開く花火も、地上から吹き上がる花火もキラキラと輝いて、その数はどんどん密度を増し、視界が花火で埋まります。
スターマインでもかなり凝った玉がたくさん上がっていたので、見入ってしまい、ほぼ呆然としながらシャッターを握っていました。
写真では伝わりにくいのが残念ですが、真上を見上げるほどの位置まで花火があがりました。頭上ではじけて宝石のような七色の光が天空に飛び散り、まるで星が輝くプラネタリウムのよう。
星の代わりに花火に包まれるようで、「はなびりうむ」の真骨頂かもしれません。
ラストは畳みかけるように打ち上げられた花火が会場を照らしました。
すべての打ち上げが終わり、拍手と歓声、そして「すごかったね~!」「楽しかったー!」という声に包まれて、花火大会は終了しました。
花火終了後もゆっくり一息
花火やイベントも良かったのですが、全体的にオペレーションもスムーズだったと思います。花火大会は帰りに一気に人が動いて混雑するのが常。終了後すぐは、駐車場行きのシャトルバスにかなりの行列ができていましたが、20~30分ほどぶらぶらして戻ってくると、ほとんど人の列がなくなっていました。
なお、20~30分ほどぶらぶらしてきたのは、松本駅までのシャトルバスは21:15出発だったから。花火の終了は20時過ぎでしたが、21時までキッチンカーは営業しているとのことだったので、最後にジェラテリア宮本屋さんのキッチンカーで、あったかい「いちごオレ」をいただきました。気温も下がってきたなか、優しい甘さが嬉しい。慌てて帰らなくていいのも嬉しい。
そして21:15、定時にバスは出発。帰りもスムーズに松本駅まで到着しました。
大規模な花火大会ももちろん楽しいけれど、こういう中規模な花火大会も、1つ1つの花火から花火師さんの気持ちが伝わるようで素敵です。
今回は来場者約1000人だったそうですが、チケット購入者だけが入れる形式のため、会場にはゆとりがあり、イベントや飲食も含めてゆっくり楽しむことができました。たくさんの人の協力で作りあげられたという手作り感ある温もりや、地元松本や長野の良さにも触れられました。
また一つ、素敵な花火大会が誕生したことがとても嬉しく感じられたイベントでした。
華松煙火さんも夏を控えた忙しい時期のイベントで大変だったことと思います。まだ「次」が考えられる状態ではないかもしれませんが、ぜひ次回の開催を期待しています。
前回の取材時には、できれば今後もイベントを開催したいというお話もあったので、今回は行けなかったけど次は行ってみたいという方は、華松煙火さんの公式サイトや公式Instagramをチェック・フォローしておくことをお勧めします!