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札幌―サッポロビール庭園間でuシート指定席が利用可能に ゆったり座席で「試飲付き工場見学」にも行ける

鉄道乗蔵鉄道ライター
区間快速エアポート号の指定席券(筆者撮影)

 JR北海道は、この3月のダイヤ改正で札幌―新千歳空港間を結ぶ快速エアポート号を中心に千歳線の輸送体系を大きく見直した。それまで、日中時間帯に毎時5本運転だった快速エアポート号を毎時6本に増発。うち1本を途中停車駅が新札幌と南千歳のみの特別快速として運行、うち3本を途中停車駅が、新札幌、北広島、恵庭、千歳、南千歳に停車する快速。そして、2本を北広島―新千歳空港間の各駅に停車する区間快速として運行されることになった。

 また、このダイヤ改正により、日中の普通列車は、札幌―北広島間の折り返し列車と、千歳―苫小牧・室蘭間の折り返し列車に系統分割され、運行がなくなった北広島―千歳間の普通列車を代替する役割もかねて区間快速エアポート号の設定が行われた。

 エアポート号は、特別快速、快速、区間快速の全てに指定席uシートが設定されており、このうちの区間快速の誕生により、これまでuシートの指定席券が発券できなかった北広島―千歳間の各駅を発着する指定席券が発券できるようになった。筆者は、この中でサッポロビール庭園駅の駅名の長さから指定席券の発券に対して面白さを感じたことから、uシート利用で訪問してみることにした。

サッポロビール庭園駅外観(筆者撮影)
サッポロビール庭園駅外観(筆者撮影)

 筆者が、乗車したのは平日の日中ではあったが、北広島駅から各駅停車となる区間快速でもuシートの利用者は比較的多く、半分程度の座席が埋まっていた印象だ。列車は札幌駅を発車すると、しばらくして札幌市の市街地が一望できる豊平川の鉄橋を渡り、新札幌駅へ。そして、2023年3月に開業したプロ野球・日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」が進行方向右手の車窓に見えると北広島駅に到着。ここから島松、恵み野、恵庭の各駅に停車し、目的地のサッポロビール庭園駅には、札幌駅から所要時間29分で到着した。

 サッポロビール庭園駅は、サッポロビール北海道工場に隣接しており、この工場では事前予約のうえで大人1,000円を払えば試飲付きの工場見学が可能だ。こ区間快速エアポート号の登場により、ゆったりした座席に身をゆだねながら、サッポロビール北海道工場での試飲付き工場見学に参加することもできるようになった。お酒が絡んだ観光には、自分でクルマの運転をする必要のない鉄道は最も相性のよい交通機関と言える。こうしたところにもJR北海道が鉄道旅客の潜在需要を発掘するためのヒントが隠れているのではないだろうか。

駅前にはサッポロビール北海道工場(筆者撮影)
駅前にはサッポロビール北海道工場(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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