中国海軍の測量艦「銭偉長(海洋二十五号)」が日本領海に進入、潜水艦の水中航路の作成が目的か
8月31日、日本防衛省は「中国海軍シュパン級測量艦1隻が鹿児島県の口永良部島の南西の日本領海に入域した」と発表しました。出典:中国海軍艦艇の動向について:防衛省
領空侵入と異なり領海進入は条件次第で軍艦に無害通航が認められていますが、測量艦という性質と進入ルートから潜水艦の水中航路の作成が目的である可能性が高く、許可なく測量を行っていた場合は無害通航とは認められません。ただし中国側は違反の事実を認めようとしないでしょう。中国は近年、この海域のトカラ海峡は国際海峡だと一方的に主張を行っています。
- 8月31日午前4時47分頃、口永良部島の西の接続水域で当該船を確認
- 8月31日午前6時00分頃、口永良部島の西の日本領海に当該船が進入
- 8月31日午前7時53分頃、屋久島の南西の日本領海から当該船が離脱
※海上自衛隊第46掃海隊所属の掃海艇「ししじま」(沖縄基地)および第1航空群所属のP-1哨戒機(鹿屋基地)が警戒監視・情報収集を実施。
シュパン級測量艦(Shupang class survey ship)はNATOコードネームであり、中国での名称は636A型海洋総合調査船です。8月31日に日本領海に進入したのは636A型の「海洋二十五号」で日本防衛省は艦番号「25」と呼称していますが、同艦は中国海軍での就役時に艦番号は876で艦名は「銭偉長(钱伟长)」と呼称されています。「海洋二十五号」は改名されたのではなく「876 銭偉長」の別名で、636A型の艦は2種類の番号と名前を持っています。なお銭偉長とは中国の著名な科学者の人名から命名されています。