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久々、梅吉(柳葉敏郎)登場。なぜ「ブギウギ」は途中退出した人物たちの安否をなかなか語らないのか

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

手紙のやり取りぐらいはしていたという裏設定は作ってありました

朝ドラこと連続テレビ小説「ブギウギ」第19週「東京ブギウギ」では、スズ子(趣里)が女手ひとつで育児と仕事に取り組んでいる。

2月7日(水)放送の第89回では、久方ぶりのお父ちゃん・梅吉(柳葉敏郎)の再登場と、羽鳥(草彅剛)、渾身の「東京ブギウギ」の完成と、密度の濃い内容だった。

なんといっても、梅吉が元気そうであること、しかも、カメラ屋をはじめ、それなりに収入を得ているということに驚いたりホッとしたり。このタイミングを、制作統括の福岡利武チーフプロデューサーはこう説明する。

「梅吉の撮影は、2023年8月中旬で一度終わって、そのあと11月中旬に再び行われました。放送では2ヶ月、リアルタイムでは3ヶ月くらいの間が空いています。やっぱりどこかでまた出てきて欲しいなあとは思っておりまして、タイミングを探ったところ、戦争が終わってスズ子に子供が生まれて、梅吉が孫の顔を見に来るエピソードをやりたいと考えました。柳葉さんは、スタジオの前で趣里さんと抱き合って『元気か』『とにかく頑張れよ』とおっしゃって旧交を温めていました。演じていないときでも、お父ちゃんのようでした」

梅吉が出てくると、場が明るくなり、スズ子との間合いもとてもいい。いつもの花吹雪も決まってとても楽しい再会だった。

第50回で梅吉が香川に去ってから、2ヶ月(物語上では6年経過している)。もう少し、梅吉の話題が劇中に出てきてもよかったのではないか。番組取材会で出たこのような問いに、福岡CPはこう回答した。

「戦争という大変な時代でしたし、そこは、スズ子が歌を歌えない状況にあることや愛助との愛情の話を主にして、梅吉さんのエピソードはお休みさせていただきました。どうしても梅吉について触れると比重が大きくなりますから。ただ、手紙のやり取りぐらいはしていたという裏設定は作ってありました」

また、気になっていた、おでん屋・伝蔵(坂田聡)や下宿の小村夫妻(ふせえり、隈本晃俊)の話題もようやく出てきた。生死はわからなかったので、ちょっと心配。彼らもどこかで出てきてくれないだろうか。

「ブギウギ」より 写真提供:NHK
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

連続テレビ小説「ブギウギ」
総合【毎週月曜~土曜】午前8時~8時15分 *土曜は一週間の振り返り
NHKBS【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
NHKBSプレミアム4K【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
【作】足立紳 櫻井剛 <オリジナル作品>
【音楽】服部隆之
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【出演】趣里 水上恒司 / 草彅剛  菊地凛子 小雪 生瀬勝久 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【概要】大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・福来スズ子(趣里)は歌や踊りが大好きで、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団し活躍後、上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と出会い、歌手の道を歩みだす。“ブギの女王”と呼ばれた人気歌手・笠置シヅ子をモデルにした、大スター歌手への階段を駆け上がる物語。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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