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一朝一夕にいかないゴルフ上達のキーワードは「本質」 確かな上達につながる練習を増やすための考え方

野洲明ゴルフ活動家

「スイングは良くなっているはずだけどミスショットが減らない」など、はがゆい思いをしているゴルファーは多いのではないだろうか。

ゴルフを始めて間もない初心者は、スイングが良くなれば良くなるほどショットも良くなる。

一方、中上級者に関し ては、スイングが良くなっても、ショットが悪くなることがある、という傾向がある。

【目次】
レベルにより上達の過程で出る結果が違う
・初級者はスイングが良くなれば、良いショットが増える傾向
・中上級者はスイングとショットの質向上が比例しない傾向
スイングとショットを切り離して考える必要アリ
確かな上達は長期戦
本質に近いところにせまる努力をする

レベルにより上達の過程で出る結果が違う

初級者はスイングが良くなれば、良いショットが増える傾向

「フルショットをしてある程度ボールをとらえれられるよ うになる」までを初心者と定義するとする。

初級者のうちは「体をうまく回す」「体重移動ができるよ うになる」など、良い動きを獲得すればするほど、良いシ ョットが増える。

初級者のゴルフは、スイングを修正しスイングの質が向上するほど、基本、ショットの精度は向上する。

中上級者はスイングとショットの質向上が比例しない傾向

中上級者の場合、1つの修正では「質」の向上と、出る「結果」が一致しないケースが出てくることがある。良い修正だとしても「スイングは良くなったのに、結果(ショット)に結びつかない」といったケースはあり得る。

こうなった場合、もう1つ修正することで結果も向上する。もちろん、1回目の修正が間違っていたら元も子もない。正しい自己分析と取り組み方に自信がないゴルファーは、ゴルフ指導者などの専門家を頼ろう(この専門家の選定も大切になる)。

この流れを受け入れられると、スイングの質もショットの精度も飛躍的に向上する期待が持てる。

スイングとショットを切り離して考える必要アリ

中上級者のゴルフレベルを向上させるためには、スイングの質とショットの質を切り離して考える必要がある。先に述べたように、スイングの質向上=ショットの質向上、となることもあるが、ならないこともあるから。

だからツアー選手はスイング改造に着手することに勇気がいる。

「ここをこうすればスイングが良くなる」と分かっていても、スコアにならないことがあることを知っている為、シーズンオフになってからスイング改造に着手したりする。

確かな上達は長期戦

上達すればするほど、さらに上達させるには中長期戦になる。急速に上達するケースがあるが、それはかなり稀なケース。

中上級者になってから短期での急速な上達は、「運」「特別なセンス」 など、偶発的な何かによって成されたものだ。

稀なケースを期待してはいけない。中上級者になってからも上達するには、正確に自分自身のゴルフ、ゴルフスイングを把握し、1つ1つ確実に課題をクリアしていく必要がある。

地道な道のりに感じるかもしれないが、それが一番の近道。

何か試しに取り入れてみて結果が良くなることがあるが、それは対処療法で、本質的な取り組みとはなっていないことが多いようだ。

思うようにいかなくなっては対処療法を施す、それを繰り返すことで負のスパイラルに陥る、堂々巡りを続ける、というケースは多い。

本質に近いところにせまる努力をする

年に1回しかコースに行かないゴルファーも含めてだが、総ゴルファーの内「100を1回も切れないでゴルフ人生を終えるゴルファーが6割」と言われている。

年に1回のコースラウンドで、ラウンドの前に少し練習するだけのゴルファーは、100を切れないままゴルフライフを終えることはやむを得ないし、おそらく本人もそこまでスコアを求めていないと思う。

ゴルフ歴や年間のラウンド数がある程度あって、練習をそれなりにしているにも関わらず、100を切れないゴルファーはどうだろうか。

月に1回コースラウンドをして、週に1回練習場に行っているにも関わらず100が切れないゴルファーは、今一度取り組み方を見直す必要があるだろう。

例えセンスや基礎体力に恵まれていなくても、月1ラウンドかつ週1練習を、正しい取り組みで行うことができれば100は切れるようになるはず。

結果に翻弄されず、ゴルフやスイングの、より本質に近いところにせまる努力をして、より正しく課題を抽出し、じっくりその課題に取り組むことができれば、誰でもある程度は上達することができるはずだ。

ゴルフのプロは、ひとつのショットを、同じストロークでそれこそ何百回も練習する。そのなかから彼らは、技を少しずつ仕上げ、体得していく。そのように贅沢な練習ができない私たちこそ、理論をきちんと学ぶことによって、技能に関する思考能力をあげ、経験不足を補うべきなので ある。

陶芸では、青の釉薬と赤の釉薬は基本的には同じ釉薬である。鉄を主成分とする釉薬が、窯が十分な酸素で燃えて いて、酸化発色したときが赤色、酸素が足りず、還元発色したときが青磁色になるのである。これは、初心者的な知識の一例にすぎないが、陶芸の発色はすべて酸化発色か還元発色のどちらかなのだから、種々の釉薬についてその違いを理論的に理解していなくては、試行錯誤が多くなって しまう。

引用:上達の法則(岡本浩一・PHP新書)

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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