明秀日立・投打の柱猪俣 本番に強い秘密は「遊び心」 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会は第5日の23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、4年ぶり2回目出場で昨秋の関東大会優勝の明秀日立(茨城)が大島(鹿児島)に8―0で勝利した。5番で先発した猪俣駿太(3年)が投打にわたって活躍した。 投球の状態こそ上がっていたが、5番打者も務める明秀日立・猪俣の打撃は不振続き。金沢監督が打順降格を考えるほどだったが、いざ打席に立てば2安打2打点と、持ち前の「本番の強さ」を発揮した。 見せ場は四回2死満塁の第3打席。二回にも安打とした大島の左腕・大野のスライダーを手元まで十分に引きつける。真ん中に入ってきた球を確実に仕留めると、広く空いていた二遊間を抜ける2点適時打に。「久々にいい形で打てた」と自信を取り戻す一打となった。 投球では打たせて取って併殺を奪いながら、要所では三振を狙う理想的な投球を披露した。唯一得点圏に走者を背負った七回1死二塁から、3番・武田をフォークで空振り三振に仕留め、続く4番・西田には勝負球にスライダーを選んで見逃し三振に。相手打線を手玉に取り、8回3安打に封じる快投だ。 本番での強さの秘密には、好きな言葉として挙げる「遊び心」がある。「遊ぶぐらいリラックスした気持ちで投げたり打ったりできればと思っている」と猪俣。緊張することなくプレーできるように心掛けている魔法の言葉が、大舞台での平常心を後押ししていた。 「彼ならこれぐらいやってくれると思っていた」と金沢監督。初の関東大会王者として4年ぶりの甲子園に戻った明秀日立には、投打でチームの中心となる頼もしいエースがいる。【藤田健志】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。