同じ1,100万円の贈与なのに? やり方によって、税額「0円」「207万円」もの大きな差…相続対策に使える〈暦年贈与〉のキホン【税理士が解説】
暦年贈与の活用例
◆長男家族3人(長男+長男の配偶者+孫)に100万円ずつ贈与した場合 ポイント1 贈与者は年300万円を贈与しているが、受贈者はいずれも年間110万円以下のため、贈与税はかからない。 ポイント2 長男の配偶者や孫は、法定相続人には当たらないが年間110万円の暦年贈与は適用される。 暦年贈与の注意点 1年の間に、父・祖父から100万円ずつ贈与を受けた場合 基礎控除は財産を受け取る人に対して適用されるため、1人に対しての贈与額合計が110万円を超えると課税対象となる
定期贈与とみなされないための対策
(1)贈与契約書を作成する 贈与をするごとに当事者間で贈与契約書を結ぶ。ただし「10年間で1000万円を贈与する」などの文言は定期贈与とみなされるので注意が必要。 (2)贈与する金額を毎年変える 毎年一定額を贈与するのではなく、1年目は80万円贈与したとすれば、2年目は100万円、3年目は10万円など、贈与額に変化をつける。 (3)贈与する時期を毎年変える 1月に贈与したとすれば、翌年は6月にするなど時期をずらす。または贈与をしない年をはさむなど、定期的な贈与にならないようにする。 五十嵐 明彦 公認会計士・税理士・社会保険労務士