「ロリータは砂糖菓子しか食べない」に耐えかねてロリータでラーメン!自身の「好き」をめぐって葛藤する少女を描くマンガ【書評】
なつ子の「好き」を大事にしようと葛藤する姿も注目すべき点だ。彼女はロリータ服がかわいいと思っているし大好きだが、好みは人それぞれ。ふゆ弥と初めてデートする際、どう思われるか不安で、ロリータ服を着て行かなかった。2回目のデートで勇気を出し、ロリータ服を着て行くも、通行人に偏見と悪意に満ちた言葉を投げかけられる。ただの通行人だが「一緒にいる男がかわいそう」と言われたことで、ふゆ弥に嫌な思いをさせるのではないかと悩み始めてしまう。 自分の好きなものや好きなことが誰かに受け入れられないのは、たとえ知らない相手だとしても傷つく。もちろんそんな言葉を投げかける方がどうかしていると思うが、自分の「好き」を肯定したい気持ちと「自分の好きを主張することで一緒にいる相手に嫌な思いをさせるのでは」と悩む気持ちで揺れるなつ子の姿に共感する読者は多いだろう。悩みながらも彼女がどんな道をたどっていくのか、ぜひ一読して見届けてほしい。 文=ネゴト/ すぎゆう