墓守・墓じまいはどうする?「イマドキお墓選び」の主流は樹木葬。みんなの声や価格動向も
2023年も残すところひと月半。これから年末年始にかけて、久しぶりに家族が集まる機会が増える時期ですね。 【グラフ付きで記事を読む】樹木葬が主流の「イマドキお墓事情」種類や価格動向 日頃のせわしい暮らしの中ではちょっと触れにくい「終活」の話題。介護や相続などについて、家族が元気なうちにぜひ話をしておきたいものです。 とりわけ「これからお墓を購入する必要がある」というご家庭の場合、価格やアクセスだけではなく、「その先」の維持や管理についても気になりますね。 少子化が進み、お墓を継承する「墓守」となる世代も減っていくこんにち。今回は調査結果をもとに「イマドキのお墓事情」に触れていきます。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
イマドキお墓事情「種類・アクセス・金額」が三大重視ポイント
株式会社鎌倉新書が2023年3月に公表した「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」よると、お墓選びの三大テーマは「お墓の種類」「自宅から霊園までのアクセス」「金額」が5年変わらずにランクインしています。 では、詳しく見ていきましょう。 ●お墓の種類は「継承者不要のタイプ」が主流に 購入したお墓の種類 ・樹木葬:51.8% ・納骨堂:20.2% ・一般墓:19.1% ・その他:8.9% 「購入したお墓の種類」で最も多かった回答は「樹木葬」スタイルの51.8%。同調査史上初の過半超えになりました。また、2番目に多かった「納骨堂」は20.2%で、こちらは調査史上初めて一般墓を上回る結果に。 少子化・核家族化が進み、お墓の跡継ぎも減っていきます。これからお墓を購入する場合、「承継者が不要」という点を重視する人は、きっと増えていくでしょう。 ちなみに、一般墓を購入した人の中には、子どもがお墓を継ぎたくないと思ったときを想定し、「墓じまいセット付き」という点に魅力を感じて購入したという声もありました。
イマドキお墓事情「平均購入価格」はどのくらい?価格動向も
続いて同調査より、お墓の平均購入価格をタイプ別に見てみましょう。 ●お墓の平均購入価格 ●一般墓「平均購入価格の動向」 ・2019年:154.2% ・2020年:176.2% ・2021年:169.0% ・2022年:158.7% ・2023年:152.4% 一般墓の平均購入価格は4年続けて下がっています。「墓石代」「土地利用料」「その他諸経費」合算が墓地購入費用の総額です。樹木葬や納骨堂などと比べると、一般墓の平均費用は高めですね。 ただし、お墓に入る家族が多い場合、各人の納骨堂を購入するのと大差がないという理由で一般墓を選ぶ人もいるようです。 ●樹木葬「平均購入価格の動向」 2019年:72.9% 2020年:68.8% 2021年:71.7% 2022年:69.6% 2023年:66.9% いまどきのお墓の主流になりつつある「樹木葬」の平均購入価格は66.9万円。直近5年間を見ると70万円前後で推移しています。 同調査結果によると、樹木葬は、消費者のニーズを捉えているため、大きな価格競争は起きていないとされています。 ちなみに、樹木葬を選んだ理由について「価格」に触れた人が約40名だったのに対し、「後継ぎがいらない」「子どもに迷惑をかけたくない」といった理由が約220名。その差はおよそ5倍でした。 価格面よりも、「承継者が不要」であることが選択のポイントになっていると言えるでしょう。 ●納骨堂「平均購入価格の動向」 ・2019年:94.0% ・2020年:87.7% ・2021年:91.3% ・2022年:83.6% ・2023年:77.6% 納骨堂の平均購入価格は77.6万円。直近5年間では最低価格になりました。納骨堂も樹木葬と同様に「価格」ではなく「承継者が不要である点」を理由に選ばれるケースが多いようです。