悪玉コレステロール値が低くても安心できない 「紅糀サプリ」に書かれた「L/H比」。これが高いと何が起きるのか
小林製薬のサプリ「紅糀コレステヘルプ」服用による死者が出たことをきっかけに、紅糀関連商品の回収が続いている。「紅糀コレステヘルプ」は効能としてパッケージに「悪玉コレステロールを下げる」「L/H比を下げる」と謳っていたが、これらは健康診断の項目にも入っている。悪玉コレステロールは「LDL-C」、「L/H比」というのは、LDL-Cと善玉コレステロールのHDL-Cの割合を指す。最新刊『健診結果の読み方 気にしたほうがいい数値、気にしなくていい項目』(講談社+α新書)の著者・永田宏氏が、それらの項目の読み方について解説する。 【図表】健診結果の読み方 気にしたほうがいい数値、気にしなくていい項目 【記事前編】まさに命がけだった…? 「紅糀サプリ」を飲んでまで下げたい「LDLコレステロール」とは何か
まずは総コレステロール値をチェック
健診結果をよく見ると「総コレステロール値(T-chol)」という項目が入っているかもしれません。もしそうなら、その前か後に「L/H比」という項目も入っているはずです。 職場健診や特定健診の必須項目ではないため、入っていないからといって、あまり気にする必要はありません。 総コレステロール値とは、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の3項目から計算する値で、血中コレステロールの総量とされています。コレステロールには、HDLとLDLのほかに中性脂肪と関係しているVLDLDというものがあります。 ただしHDLとLDLの量が多いため、総コレステロール値は、この2項目の合計に近い(少し大きい)数字になります。
LDLが基準内でも総コレステロール値が要注意になるケースも
総コレステロールの基準範囲は149~199で、それを下回ったり、上回ったりすれば要注意、特に260を超えると異常と判定されます。 一方、LDLコレステロールの基準範囲は60~119、HDLコレステロールは40 以上となっています。 仮にLDLが80、HDLが40とすると、合計は120となり、総コレステロール値は130 前後になるので、低いほうの要注意となります。 またLDLが110、HDLが90 だったら、合計は200 となり、総コレステロール値は200 を超えた数字(高いほうの要注意)になります。 つまりLDLとHDLが基準範囲だとしても、総コレステロール値が要注意になることもある、ということです。