市議会が“自主的に解散”の決議案可決 市長選と“ダブル選挙”のメリットと課題 岐阜・海津市
“ダブル選”に地方自治の専門家は
実施の公算が強まっている「ダブル選挙」について、地方自治に詳しい専門家は…。 「首長の選挙と議会選挙が一緒に行われることによって、個別に行われるよりも街のあり方を考える機会としての注目度が高まるということはあるかなと思います。有権者が、何回も投票があるとどうしても投票疲れ・選挙疲れが起きる部分があるので、それが1回で済むということで有権者にとっても利便性が高まる」(名古屋市立大学 三浦哲司 准教授) また、ダブル選は「経費削減」だけでなく、選挙事務の負担軽減にもつながると話します。 「議会選挙と首長選挙を個別にやるよりも、1回で行うほうが会場費や人件費、その他の費用が2回分が1回で済みますので、費用の削減につながる。地域で投票所を運営する人たちが高齢化していて大変という事情があり、1回で済むならばその方が望ましいという事情はあるかもしれない」(三浦准教授) 一方、こんな指摘も。 「4年間任期を全うするという前提で立候補し、当選して議員活動をしているので、有権者との間で納得のいく説明が得られるかどうか。(市議選が)前倒しで4月になるということであれば、今年度で退職して、半年後の市議選にチャレンジするという想定でいた場合に、その目算が狂ってしまうというところはあるかと」(三浦准教授) もし「自主解散」が行われれば、市長選と市議選のダブル選挙は来年4月に行われる見込みです。
先行事例では投票率に変化
こうしたダブル選挙は東海3県でも先行事例があります。 2022年4月にダブル選挙があった三重県名張市の投票率は…。 ・市長選は56.02%(前回より4.33ポイント上昇) ・市議選も56.02%(前回より4.05ポイント上昇) そして今年11月にダブル選挙があった三重県伊賀市の投票率は…。 ・市長選は61.93%(前回より9.10ポイント上昇) ・市議選は61.92%(前回より5.34ポイント上昇) いずれも、ダブル選挙で投票率が上がったという結果になりました。 経費も名張市は約1400万円、伊賀市は約3900万円、別々に実施した場合と比べて節約できたということです。